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アカルイミライ-Wet And Messy 2nd time-

プレイ時間 CDレス
プレイ
CG枚数 H回想 ボイス 評価 オススメ点数
約12時間★ 不可 92枚 45枠 女性フル 5点 5点

★初回プレイ約4時間50分
2週目1時間40分。
3週目40分。
以下、CG、回想及びシナリオ回収に1時間30分。
オマケシナリオ5本コンプに約3時間。

※差分含まず。本編60枚。オマケシナリオ32枚。

◎本編24枠。オマケシナリオ21枠。

★事前に期待していたもの
今年のゲームに大ハズレが無かったのでメーカー買い。
時間・ループ等のテーマが好きなので、シナリオに期待。
WAMは正直どうでも良かったです。

システム  「CROSS†CHANNEL」や「海からくるもの」と全く同じシステム。
 FlyingShineのゲームエンジンとして、確立しているようですね。

 以前の作品からの個人的に最大の懸案である所の、インストールしてもショートカットが
スタートメニューにすら登録されない仕様は改善されていません。
 勝手にデスクトップにショートカットアイコンを作ってしまうインストーラーも、これまた問題
かもしれないですけどね。
 ディスクレス不可も相変わらずで、インストールしたフォルダからショートカットを逐一作成
しなくてはならないのは手間です。
 起動時に、いちいちフルスクリーンとウィンドウの選択、オープニングムービーのサイズの
選択をしなくてはならないのも面倒。

 その他に関しては、まあ標準以上だとは思います。

 メニューは画面上のツールバーからプルダウンして呼び出す形式のみ。
 アイコン等は一切ありません。
 特徴はオートモードと手動モードでの両方で個別の環境設定ができる所。

 フルスクリーン・ウィンドウ切り替え 有り。
 こちらは右クリック1回目でメッセージウィンドウ消去。2回目で画面のサイズが自動的に
他のモードに切り替わる仕様になっています。
 これよりも右クリックでメニュー呼び出しにして欲しかった。画面上端のツールバーしか設
定ができないのは、右クリック呼び出しのゲームに慣れた後でプレイすると、少し使い辛い。

 既読・未読判定スキップ 有り。既読判定無し一括スキップも可能。結構高速。
 オートモード 有り。文章ウェイトを5段階調節可能。
 しかし、オートモードの場合、調節が難しいです。メッセージスピードとクリック間隔のベスト
マッチが未だに見つけられません。決して使い勝手は悪くないんですけどね。

 セーブ・ロード 任意の場所で。(100スロット)
 1つだけクイックセーブとロードが出来ます。ホイールマウスバックログ対応。
 文章の読み進めには対応してません。
 音声リピート機能有り。

 「CROSS†CHANNEL」をプレイしていた当初は、まずまずのシステムと思ってましたが、や
はりややアンフレンドリーな足回りと考えを変えつつあります。
 必要な面に関しては欠如はありませんけど、いまひとつかな。
音楽・CV  オマケの音楽鑑賞モードで聞けるのは18曲。
 OPが、食傷気味である女性ボーカルではなく、プログレッシブ・ロックっぽいインスト曲だ
ったのは意外でした。
 かなり古臭い感じのするテクノとプログレ・ハードの中間的なゲーム音楽という感じ。
 EDは流石にボーカル曲でした。普通のバラードですね。歌詞にゲーム内容へのメッセー
ジがありそうだったり、なさそうだったり。

 BGMは全体的に打ち込みリズムと意図的に重くしたギターが目立つ、ゲームっぽい曲が
多いように思えます。シンセホーンやキーボードサンプリングも多用され、まさにゲームの
音楽。
 取り立てて印象に残るものではないですね。

 CVに関しては、完璧でしょう。
 実力のある声優さんを揃えてますし、ちゃんとキャラクターに合った演技をされています。 
CG・立ち絵  絵は実に艶っぽいですね。塗りもはっきりしていて、所謂エロゲー向きな絵ではないかと。
 が、立ち絵に関しては絵柄は兎も角、枚数と演出がいまいち。
 表情の変化パターンが乏しいし、少し存在するあまりにも漫画的な(目が十字に光ったり)
顔パターンはちょっと浮いてます。
 更に、視点変更が活用されるゲームの宿命かもしれませんが、メインのヒロインである
「美甘 櫻」の立ち絵があまりにも少ない。
 演出上仕方なかったのかもしれませんが。
 それから、15年前と現在(作中では2004年)の両方に登場するキャラクターが幾人か存在
しますが、どちらも立ち絵が同じというのはどうかと思います。
 殆ど巨乳キャラばかり登場しますが、胸のバランスは不自然にならずに上手に立ち絵で
表現されているとは思います。

 1枚絵に関しては、塗りも表情も安定していると思います。
 差分は豊富ですが、やや枚数が少ないのと、60枚中の50枚以上がエロシーンというのが
少々不満かなあ。
エロ  微妙なレベルにあるのではないでしょうか。
 メーカーさん曰く、「フェチベンチャー」だそうで、ウエットな状態になるシチュエーションがメ
インのH要素のようです。
 この汁まみれになるという状況は、広告に偽りなしのレベルで表現されています。
 単に精液まみれになるだけのパターン化を避ける為に、泥やインク、水、香油といったア
イテムが数多く使われていますし。
 水分が服に張り付いて、透けるシチュエーションに特定の嗜好のある方にはほぼ満足で
きるレベルまでには到達していると思います。
 個人的には、精液表現があまりに大げさ過ぎて、興ざめする部分の方が多かった。
 まあ、物語目当てでこのゲームを購入する私のような人は少数派というよりも希少なんで
しょうけれども。(苦笑)

 が、肝心のエロシーン本体に関しては、特段尺が長い訳でもないですし、卑語を連発とい
う濃厚さも無いです。
 レイプ、輪姦といったシチュエーションが多く、気持ちよくなって喘ぐという状態は非常に少
ない。
 また、主人公が殆ど本番をこなしません。大抵は偶然目撃して、ピーピングトム野郎にな
るのが流れです。
 ヒロインと合意の上、一戦交えるのはたったの2シーン。(撫子、紫苑にそれぞれ1シーン
だけ。)
 基本的に、ヒロインが感じてくれるというHは非常に少ない。無理矢理挿入されて、結果
的に感度良好になるHもありますが、大抵は強姦系。最終的に快感を感じる前にボロボロ
になってしまう流れが殆ど。こちらも「Messy」という語彙の具体化の結果でしょうかね。

 更に、Wet And Messyという縛りがある為か、そちらの条件を優先した結果、挿入まで
には至らないシーンも結構あります。

 全体として、数は豊富ですが、濃厚さに関してはいまいち。
 特定の嗜好のある方以外は、過度には期待するべきではないかと思います。
 決して薄くはありませんけど。 
シナリオ  新聞部に所属している主人公「英田 柾」は部長「神目 楓」の言いつけで、深夜に学園
内を徘徊するという幽霊の正体を確かめる為、調査をしていた。
 その時、謎の暴漢に襲われるが、一命は取り留める。その時、何故か使われなくなった
物置部屋で、15年前に学園生だった「美甘 櫻」と通話出来る事を発見、彼女と交流を持つ
ようになった。
 しかし、その少女「櫻」は15年前に殺害されて現在には存在していなかった。
 何とかして過去を変えようとして奔走する「柾」の前に、アロマテラピーを行っている学園
のサークルがちらつくようになる。
 管理売春を行っているという黒い噂のあるサークルの暗部に、15年前の殺人事件との
繋がりが浮かび上がってくる・・・・。
 果たして主人公は過去を改変する事ができるのだろうか。

 ゲームを始める前は、漠然と“「時を駆ける少年」エロゲー版”を予想していました。
 過去に起こった殺人事件を食い止める、となるとタイムスリップして過去を変える、という
技が卑俗なイメージでは有りますが、一般的ですし。
 しかし、実際は

 「特定の場所と時間で過去との会話チャンネルが繋がるだけ」

 であり、

 「事件を回避するように過去に存在するヒロインに情報を与えるだけ」

 という、過去に起こった事件を掘り起こしつつ、被害者に回避を促す。これしか主人公に
できる事はありません。
 少々意外でした。プレイヤー視点で読んでいくのが主体のゲームというメディアで、自身
の分身である主人公を能動的に最もショッキングな場所には立ち合わせず、違う時空で
の猿回しのサルに徹させるギミックを使っているので。

 この為、過去にも物語りは飛ぶのですが、そちらでの視点は、マーダード・ヒロインの「櫻」
になります。
 つまり、主人公視点メインで流れる「現代編」と「櫻」視点による「過去編」の2本立てで構
成されています。
 これ以外にも、視点が頻繁ではないですが、場面に応じて変化します。
 この視点の変化によって、殺人事件とそれに大きな関連を持つアロマテラピーサークルの
暗部と謎を説明する手法を取っています。

 しかし、過去と未来が頻繁に交錯したりせず、視点もザッピングという程度とは呼べないレ
ベルで小さくシフトするだけ。
 あまり時間モノという感触は強くありません。

 また、1週目だけでは、明かされない謎があるのは、この手のお話では定番です。が2週
目以降で大きなどんでん返しもありません。

 それなりにしっかりとしたプロットを立てて構成されたお話ですが、主人公の活躍や、過
去と未来の接点を十全に活用したストーリーモノを期待すると、ちょっとガッカリするかもし
れませんね。
 時間流、パラドックスや平行世界といった概念に触れるのはほんの少し。
 ここを書くとネタバレもいい所になってしまうので、書けません。
 個人的に過去と未来の繋がりを考えると、この解釈は好きな方ですが、あまりにも微量に
しか言及されていないので、エンディング後のエピローグテーマとするには弱過ぎます。
 これがシナリオ構成上の一番の問題だと思ってます。

 最後まで明確に語られない設定や人間関係−第三者の会話によって仄めかす程度が
殆ど−が多く、謎解きモノとしてはちょっと詰めが甘く感じます。
 また、明確なハッピーエンドがありませんし、きっちり解決する事柄は正直1つとしてない
ので、プレイ後の感覚はあまり良いものではないですね。
総評  まず、主人公ですが、エロシモネタ系なキャラクター。が実は意外に純真でしっかりしてる、
てな感じで書かれてます。
 が、後輩が輪姦イジメに遭っているのを黙って見過ごしたりするヤツでもあるので、どうに
も性格がいまいち固定されていない気がします。

 それから過去編に話が移ると登場は全くと言って良い程しなくなるので、主人公に感情移
入してプレイする人にはちょっと駄目な部分がありそうです。

 主人公だけでなく、登場するヒロインキャラクターや脇役、全てが魅力を出す以前に、物語
の進行役くらいしか描かれておらず、内面までは書ききれている人物が皆無です。
 為に、主人公のみならずヒロインにも入れ込める要素が希薄です。
 極論すれば、殆どの女性キャラは濡れ場担当として登場し、退場するだけ。
 抜きオンリーのゲームならこれでも問題ないのかもしれませんが、ストーリーに拘る部分
はそれが成功しているかは疑問としても見られます。よって、物語性を追求したゲームでキ
ャラクターが表面上でしか動けていないのは、物語を浅く見せる要因となっていると思います。

 また、物語の構成上、現代編の主人公と唯一くっ付くキャラである「紫苑」と最初のプレイで
エンディングを迎えてしまう展開はどうかと思います。
 始めから主人公と時間を共にするヒロイン達の結び付きは薄目のゲームですが、その中で
ちゃんとエンディングを迎えられる唯一のヒロインが「紫苑」なんですから。(「楓」に至っては
Hシーンすらありませんし。)

 複数回プレイで謎を剥離していくデザインになっているのですから、2回目・3回目でクライマ
っクスが出現するような構成は、中弛み、後半弛みを避ける為にも必須だと考えてます。
 この点に全く配慮してません。
 2回目以降のプレイでは、ちょっと視点を変えてモノローグで謎を小出しにしているだけです。
 これでは複数回プレイの旨みがありません。
 複数回プレイで謎解き、と構成するなら、もう少し考えた話を展開して貰いたかったですね。

 最大の問題は
 主人公と「櫻」が出会うことすら無い。ですね。
 この設定は上手く活用すれば、とっても「せつない」(苦笑)味わいを出せる物だと考えて
ますけど、これでは単に消化不良なだけではないかと・・・・・。

 複数回プレイに関連しては、選択肢による展開の変化が有りますが、選択肢によってHに
突入したり、回避となるキャラクターが存在します。
 が、どの選択肢を選んでも後の展開も主人公のモノローグも全く変わらないのが殆ど。
 身体を合わせた女性に関して少しは違った感慨を持たないのか、コイツは。
 と思ったこともしばしば。

 過去の事件を調べて、現在の事件を解決
 という能動的な物語ではないですね。「アカルイミライ」と謳っている割には、主人公はかな
り厭世的で後ろ向きです。
 「櫻」はとあるエンディングでは、タイトルに合致した前向きな姿勢を見せてますが。

 物語りもエロも平均以上なんですけど、どちらも特筆するべき点が少ない。
 今年のこのメーカーさんのゲームでは最もアピールするものが弱いですねえ。

 後、オマケシナリオは、総プレイ時間3時間を越えるという、それなりのボリュームがあり、
エロもそれなり以上に組み込まれています。
 お話もバラィエティに富んでおり、プロットだけなら本編よりも面白く感じたのが、
「雨があがれば」や「SF/スライム宇宙人来襲」ですな。特に「雨があがれば」は本編よりも
ユニークなゲームに加工次第ではなりそう。
 逆に、バイオレンスアクションのオマージュにすらなっていない「エッジダンサーズ」は駄目
過ぎです。このボリュームで超人の仕合いを書かれてもライターの自慰行為としか感じられ
ません。
 「マリンの香り」はまさにオマケのH増量物語で、面白くない。

 全体としてはショートショートを読む感じで楽しめましたが、ここまでオマケに力を入れるなら
本編をもう少し何とかしれ、と言いたいですね。
オススメ度  「WAM」嗜好の方なら、その為に買われるでしょう。
 それ以外に強いセールス・ポイントがありませんので、どうにも点数が付け難い。
 思っていた以上にシナリオに力を入れているとは感じましたが、やはりびっくりする程では
なく、それなりに落ち着いたという所ですね。
 個人的には、普通作・凡作で5点。

 輪姦とかヒロインと主人公が絡まないシチュエーションが駄目なら、オススメはしません。
 それを補う物語性もあまり強烈ではないので、5点でしょうか、オススメ度。
 悪くないけど、良くもなし。そんなゲームです。ちょっとこのブランドは次からは様子見です
ねえ。
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