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あののの。
〜君と過ごしたあの日あの時あの未来〜

プレイ時間 CDレス
プレイ
CG枚数 H回想 ボイス 評価 オススメ
点数
9時間程度★ 84枚 9枠 フル 3.5点 4点

★初回プレイ約4時間。
2回目以降1時間強。

★事前に期待していたもの
時間をやり直す=タイムスリップ系やループ系の話が好きなので。
タイトルから、ありふれた時間モノをどうやって扱うか、非常に期待。

システム  Will系のゲームエンジンを使用しています。
 非常に使い勝手が良い、完璧な足回りだと思います。

 操作はメッセージウィンドウ上のアイコン 又はコンフィグ画面にて右クリックをシステム
呼び出しに設定して活用。
 アイコンにて以下の操作が可能。
 スキップ 開始・終了。
 オートモード 開始・終了。
 クイックセーブ。
 メッセージ読み返しとボイスリピート。
 環境設定・セーブ・ロードの呼び出し。
 メッセージウィンドウ消去。

 アイコンとメッセージウィンドウ共に、原色系の色がカラフルに使われ過ぎて目がチカチ
カする傾向にあるのが玉に瑕ですか。

 フルスクリーン・ウィンドウモード切り替え 有り。
 テキストスピード 4段階調節。
 メッセージスキップの既読未読判定 有り。
 ホイールマウス メッセージ読み進め・読み返し 対応。これは嬉しい。
 BGM・音声・効果音 10段階調節。
 オートモード クリック間隔 0〜9秒で調節可能。
 テキストフォント 8種類選択可能。
 画面効果 On/Off。
 ゲームパッドの使用 可不可 選択。
 マウス右クリックのセーブ・ロード及び環境設定呼び出し 又はテキストウィンドウ消去
の操作選択可能。

 セーブ・ロードはそれぞれ35スロットありますが、過剰ですね。こんなに必要ありません。
 セーブ・ロードには画面サムネイルとテキストが付随しますので、中断から再スタートが
楽になります。

 個別ボイスのOn/Offが無い程度で、後は完璧でした。
 Ctrlキーでスキップは一般的ですが、Spaceキーでメニューが呼び出せるのが面白い。 
音楽・CV  OPは軽快なギター・ポップ風ですが、ボーカルが下手糞ですね。飛ばしたくなります。
 エンディングは、バラード系。特別思い入れは無いのでスキップしてました。

 BGMに関しては、付属のサウンドトラックを開けたくなる気はしませんでした。
 これが感想です。可もなし不可もなし。ゲームのオマケモードでも24曲が聞けますが、
こちらも敢えて選択する気分にはなりません。
 ゲーム音楽らしい無難な出来ではないでしょうか。

 CVは主人公以外、全てのキャラに声がアテられています。
 肝心の声の質ですが、手放し絶賛とは言えません。
 まず、メインヒロインの「遠山ココロ」の声優さんですが、実に微妙です。お世辞にも上
手くはありません。ややぎこちない感じがして、少々聞くのがタルかった。

 「鴎守 えりす」役の方も、やや棒読みっぽい、のっぺりした演技が違和感あります。
 「甃上 美好」役の方も、何となくぎこちない感じです。
 「遠山 ココロ」以外の場合はどちらかというと、演技指導に問題があるような感じがし
ますね。実力云々よりも、キャラクターのイメージに合致した演技をしていない感じが。

 それから男キャラの「時雨 馳夫」の声、妙に甲高くて非常に鬱陶しかった。これだけは
ボイスオフにしたかったですな。

 流石に「古都 紅葉」役の「青山ゆかり」さんは上手いですね。眼鏡娘の「藤宮 林檎」
もキャラとしては兎も角、演技は宜しかった。
 非攻略キャラの「隅田川 楓華」や「糸瓜 四季」の演技の方がメインキャラより自然な
のはどうかと思います。

 全体的に声の演出・演技共に微妙。酷くは無いですが、これを売りにするには弱い。
CG・立ち絵  絵は所謂アニメ系の色塗りがハッキリした絵ですね。
 立ち絵に関しては、こういった絵柄ならもっとメリハリのある表情を期待していたのです
が思ったほどコロコロと立ち絵が変化せず。
 決して表情が少ないという訳ではないのですが、絵柄を活用した立ち絵にしていないよ
うに思えます。立ち絵のポーズと表情がいまひとつ合致していない絵が多かったのも、原
因の1つかもしれません。
 又、立ち絵の表情によっては、かなり崩れて見えるパーツが幾つかありました。

 1枚絵CGに関しては、綺麗に描けていると思います。
 セル画系のデザインの割に、塗りもキツクないですし。
 一部CGにてキャラクターの顔が崩れているような部分もありますが、それ程気にはなり
ません。
 絵柄が気に入ったなら失望する事は絶対にないと思います。
 但し、キスシーン等、CGの使いまわしがあるのが残念。プレイ時間の長さと比較すると
決して少ないCG枚数ではありませんが。

 背景もしっかりと描かれています。
 絵的には一部の立ち絵以外は良好です。
エロ  「藤宮 林檎」以外は、全キャラクター2回のHシーンがあります。
 また、1回のみの「林檎」にしても1シーンで、
 後背位射精 → フェラ射精 → パイズリ射精 → 座位射精
 と内容でカバーしてます。

 どのキャラも和姦オンリーです。
 基本の流れは

 キス → 脱がす → 愛撫 → 挿入 → 体位変更 → フィニッシュ

 となります。
 各キャラに1回はフェラ又はシックスナインがあります。フェラはちゅぱ音有り。控えめな
音ですけど。
 特殊Hは一切無し。
 「美好」に体操服ブルマの、「えりす」に制服の、それぞれ半脱ぎHがありますが、基本は
殆ど全裸Hです。せいぜい、ソックスを着用のままHに及ぶくらいの着衣率。
 こちら属性系の方には不満かもしれません。

 各HシーンでCGは2〜3枚を使って、必ず体位の変更があります。1ラウンド2回戦の場合
のみならず、1発で終了でも体位は変えてくれます。
 そして、「林檎」以外、バトル終了後の寝物語(古い)CGがありますが、これは演出として
良いですな。

 全体的に濃いとは言えませんが、回数でカバーしている感じですね。
 非抜きゲーで、このボリュームなら標準ではないでしょうか。
シナリオ  大学生の主人公「葉一」が、屋上から誤って落下。
 その際に3年前の世界へと、何故か戻ってしまう。丁度3年前に学園祭を復活させるイベ
ントがあったが、その時落下事故で当時の後輩だった「甃上 美好」が不慮の死を遂げた
為に学園祭は中止。
 それ以降、主人公の生活は味気ないものになってしまっていた。
 主人公は、歴史を変える為に動き出す。何故3年前に戻ってしまったのか分からない
ままに・・・・・・・。

 ていうのが物語の発端です。
 ショックでタイムスリップという題材は、些か使い古されていますが、上手く活用すれば
面白い物語を作れると思います。

 だがしかし、このゲームではこの題材が全く活かされてません。寧ろ死んでます。
 流れとしては、単純な学園モノ。これのオマケにタイムスリップした設定がへっついてい
る、位です。
 折角、過去へと戻り、歴史を知っている、という特技を主人公が持っているのに、主人公
が介在した為に変化した歴史とかについては殆ど描写がありません。

 公園の池に誰が落ちたかが違う。
 結局死亡は回避できた。

 この2点くらいしか、主人公の既知の歴史と改変した歴史を現すイベントが無いのでは、
何のためのタイムスリップなんだか分かりません。
 
 物語も非常にメリハリに欠け、『歴史を改変』、『死亡イベントの回避』という重厚になりう
るテーマがあるにも拘わらず、全く緊張感なくダラダラと進行するだけ。

 『歴史を変える』という目的意識を掲げたゲームのように見えますが、実際は
 『主人公が過去に戻って新しい恋人を見つけた』だけ、のお話に終始してます。

 学園祭の準備期間という多忙且つ、やや平凡な日常から逸脱した生活が、主人公とヒ
ロインを結びつける。
 ・・・てこれなら何度も見たエロゲーのストーリーと何ら変わるものがない。
 単純な学園モノにファンタジー要素をほんの薄味で付けた程度のゲームです。
 しかも萌えも笑いもシリアスも全部浅い。浅過ぎます。
 何一つ誉められる点がない。
 これで上のファクターが全部平均点以上で、突出していないなら別なんですが、総じて
低レベルだから突出してないだけであって。

 又、タイムスリップした鍵となるアイテムの説明にしても、ヒロインがちょっと喋るだけで
終了。幾つかあるファンタジー要素の謎解きは全くお座成り。
 同様に、各ヒロインの当時抱えていた問題も、実に適当に流されており、ゲーム終了後
に残るものは一切ありません。

 時間モノを期待すると、完全に裏切られるでしょう。
総評  致命的なのは、主人公の存在する時間軸によって座標が変化はしますが、それぞれの
「現在」「過去」「未来」に、ストーリー的な相関性を持たせていない事です。

 例えば、冒頭で主人公は3年前の事件を回想するのですが、その時に一緒の時間を過
ごしていた3キャラ「ココロ」、「えりす」、「美好」の誰とも『時間を遡る前の主人公』と接点が
無い。(まあ、死んでしまった「美好」は接点が無いのは仕方ないですが。)
 この為、過去に飛んでしまい歴史を改変することになっても、『過去から見た未来』であ
る『時間を越える前の現在』の生活に対する主人公の拘りは希薄にならざるを得ない。
 更にヒロインのキャラクターとしても強い印象を与える事ができなくなっています。

 仮にですが、『時間を越える前の現在』で「ココロ」や「えりす」が登場していれば、主人公
が『知っていた現在の人物像』と『過去に飛んだ時の人物像』にギャップを覚えたり、何らか
の思い入れによってもっと葛藤や悩みが表現できたと思います。

 この形が出来ているのが非攻略キャラの「楓華」だけです。『タイムスリップ前の歴史』で
は実際にには出会わなかったキャラの知られざる過去に触れて、驚く。
 こういった展開がヒロインにこそ必須なのに、脇役にこのロールを振って御仕舞にしてい
るのは明らかにシナリオライターの手抜きでしょう。
 時間と歴史の繋がりを書いていない為に、全く底の浅い話になってしまってます。
 それ以上に、この主人公、死亡事故を防ぐ為に必死になるというものでもなく、幾つかの
救済措置を施して、結局は過去に戻った事を殆ど気にせずに日常をこなして行きます。
 言動を周囲から怪しまれるくらい必死になれば、少なくともタルイ展開が引き締まったので
はないかと思ったりもします。

 極端な話、死んでしまった「美好」と実は恋人関係にあった。
 その空虚を埋める為に、同じ傷を持つ「えりす」と肉体関係で傷を舐めあう関係が続いて
いた・・・・。
 仮にこういった状況の『過去から見た未来』から主人公が過去に飛んできたら、もっと話
の幅が広がったと思います。

 時間モノに不可欠と勝手に考えている、バタフライ効果・歴史の自動修正力・タイムパラ
ドックス。
 これらが殆どスッパリと切り取られてます。歴史の修正能力に関しては「紅葉」シナリオで
少しだけ触れられますが、たったそれだけですかい?!というのが素直な感想です。

 またまた例え話になってしまいますが、
 公園の池に落ちた人物が変われば、そこから歴史が変わっていき、既に経験した歴史と
改変が始まってしまった歴史のギャップに戸惑いつつも、事件を回避しようとして骨子粉砕
する主人公。
 それから、実際に死亡事故回避による歴史の違いも全く描かれてません。
 せめて各ヒロインの後日談くらいもう少し書けと言いたいですね。

 時間モノの醍醐味として、複雑に絡み合う「現在」「過去」「未来」の流れや歴史改変によ
る矛盾等が挙げられると思いますが、タイトルで『あの日あの時あの未来』と謳っているくせ
に、フタを開ければ単なる学園モノ。
 出来の悪い萌え学園ゲーにファンタジーをちょっと塗りつけただけのシロモノに終わってま
すねえ。

 最後に個別ヒロイン感想。

 「遠山ココロ」・・・メインらしく何の取り柄もなし。時間遡行のアイテムに関する説明をひと
 こと行う為だけに存在するキャラとしか思えない。このペンダントに伏線を期待した私がア
 ホでした。海外移住?ハイサヨウナラ、としか思えないくらい薄いヒロイン。まあメインです
 からね。

 「鴎守えりす」・・・一番退屈だったシナリオ。使い方によっては凄いキャラになったかもしれ
 ないのに。順番に来る躁鬱状態の原因くらい説明しれ。

 「甃上美好」・・・時間跳躍のキーとなる設定が出てきたか?と思ったら全然掘り下げなし。
 本来の歴史では死んでいたという設定があるのにあんまり同情できないなあ。

 「藤宮林檎」・・・別角度のファンタジー要素を入れようとして用意された眼鏡。違う要素を
 持ち込む前に、本来のシナリオを何とかしろと子一時間(略
 物語の核から完全に外れた所に位置するキャラ。登場してすぐに正体が露見するのもどう
 かと。これまた詰まらないシナリオ担当キャラ。

 「古都紅葉」・・・キャラとしては最も萌え度が高い。惜しむらくは物語に登場する必然性が
 非常に薄く書かれている事。折角実際には知り合うことが無かったキャラなのだから、もう
 少し物語を何とかして欲しい。

 「隅田川楓華」・・・このキャラを攻略対象に入れないなら、最初から出すなと言いたい。
 ライターの手抜きの残滓。哀れ・・・。

 キャラが立っているのは、『過去から見た未来』で知っていた「楓華」と、意地っ張りお譲
様キャラの「紅葉」くらい。
 他のキャラは弱い、弱過ぎ。キャラゲーにもならないわい。 
オススメ度  個人的には、全く期待ハズレの駄作。タイムスリップでもタイムリープでも言い方は何で
も良いですけど、そういった題材に注目して買うと、完全に火傷するでしょう。
 次はまずここのゲームは即買いすることはありません。
 絵とシステムが良いだけですね。地雷ではありませんが、ニアピン賞。ということで3.5
の点数。
 オススメは全くしません。絵が気に入って、普通の学園モノをプレイしたいなら中古を狙
うのが宜しいでしょう。よってオススメ度は4点。
 凡作でもかなり退屈な凡作です。

 最後に、全部生徒に責任を押し付けれる校風の教師って楽そうですね。(w
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