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ユメミルクスリ

プレイ時間 CDレス
プレイ
インストール
容量
CG枚数 回想 ボイス 評価
13時間★ 760MB 71枚※ 42枠◆ フル 7.5点


★クリア順 あえか→弥津紀→ねこ子
BAD回収も含め、初回6時間、2〜3週目以降3時間30分程度。
※差分含まず
◆非18禁シーン・ED場面含む。18禁シーンは19枠

★事前に期待していたもの
「セイレムの魔女たち」以来の作品+監修田中ロミオということで購入。
メーカー買い&プロデューサー買いというところです。テンプレ萌えエロ系ではない
ところに大いに期待していました。

システム  最近、Will系のゲーム、というよりも殆どゲームを購入していないしプレイもしていな
いのですが、Will系の汎用エンジンっぽい感じで、特に不都合は感じませんでした。
 基本的に装備して貰いたいものは全てあります。
 右クリックでメニューを出してコンフィギュレーションを行うか、メッセージウィンドウ右
横のアイコンで操作。

 フルスクリーン/ウィンドウ 切り替え有り
 セーブ・ロード 40スロット Qセーブ・ロード 1スロット
 メッセージ速度 4段階調節
 男女ボイス・SE・BGM 10段階調節(キャラ個別調節無し)
 テキストフォント 8種類変更可 テキスト縁取り可能
 画面効果 On/Off可
 オートモード10段階調節
 バックログ ホイールマウス対応

 テキスト読み進めにホイールマウス対応は嬉しいところですが、そろそろどのゲー
ムにも標準装備して貰いたいですね。
 後は、既読メッセージの自動スキップは便利で良いです。但し、オートスキップを止
めるにはSKIPアイコンをクリックしなくてはいけないので、ちょっと面倒かな。右か左ク
リックでオートスキップを止められれば尚良し。
 非アクティブ時に音楽・音声再生OFFが出来るのも良いですね。特に起動しつつ感
想等を書いている時は有り難い。

 唯一というか、気になったのがメッセージウィンドウの透過率が調整できず、テキス
トの色とウィンドウの背景色が近いので、ややテキストが見辛い点。それからアイコン
もQセーブ&ロードを除くとメッセージウィンドウと同色でちょっと見辛い点。
 それ以外は特にストレス感じません。 
音楽・CV  特典付属サウンドトラック「ユメミルセカイ」に20曲。ゲームのオマケモードでは18曲
が聞けます。
 全体として特に特徴が無く、可も無し不可も無しというところでしょう。
 大人し目な曲が多いのが特徴と言えば特徴かも。
 18禁シーンに流れる、スパニッシュ的な音楽はちょっとTPOに合わなくて違和感あり
ました。また、日常テーマ的なドラムン・ベースっぽいBGMも他の音楽とは毛色が違う
ので最初はやや浮き気味に感じましたが、こちらは直ぐに慣れました。

 CVの方は有名な方が声をアテております。「まきいづみ」さんがゲストのみで端役
を演じられているのにはちょっとびっくり。メインのキャストを回されても良い方ですが。
 妹役の「七原ことみ」さんですが、何処かで聞いた声だな、と思ってみると「ゆのは
な」の「ゆのは」役の方でした。今回ツボにハマったのが個人的には珍しく妹キャラの
「加々見綾」(しかも非攻略対象、トホホ…)でしたが、声の演技が良かったのもその
一因かと思います。
 後、イジメっ子キャラの「南条京香」役の「吉川華生」さんはまさにハマリ役ですね。
 コワイ位に似合ってました。
 全体的にキャスティングは良好。ちと主人公の母親役が違和感あったかな、程度
です。
CG・立ち絵  まず背景。パターンはあまり多くないですが、淡い感じで非常にキャラクターの立ち
絵にマッチしています。立ち絵と背景がチクハグってのは良くあることですが、この
ブレンドは絶妙。

 キャラクターCGですが、「はいむらきよたか」氏。結構有名らしい?友人曰く、ライトノ
ベルでイラストとか結構描かれているそうですが、独特の淡い感じがして良いですね。
 ちと目と目の間が離れすぎている気がしなくもないですが。
 立ち絵に関してはそれ程差分は多くないですが、表情の変化を上手にメリハリしてあ
って特に喜怒哀楽の表現には違和感を感じませんでした。
 キャラクターによってはかなり表情が崩れ気味な立ち絵が見られました。
 一枚絵CGも、カットによっては別人とは言わないまでも表情が崩れている絵がある
ように思えます。色塗りは原画さんに合わせて淡いタッチで、やや白っぽい透明感が
あり良い感じです。
 ちょっとクセのある絵ですが、個人的には気に入りました。作品世界にも非常に合致
しております。
エロ  そこそこのレベルにあると思います。尺は短くも無く冗長でもないレベル。
 特異なのが、純愛系でありつつも、純粋に純愛で無い点でしょうか?
 お互いの傷を舐め合う感じのエロシーンとか、Hの動機が電波的なモノだったりと。
 キャラによっては最初のうちはアナルセックスのみだったりとか。
 各キャラにフェラ有り。中出し率も結構高いです。
 手コキ、足コキ、野外プレイ、ドラッグをキめたアンダー・ハイテンションでのプレイ、
という具合に結構多彩なシチュエーションがあります。
 声優陣の演技力も手伝って、シナリオ重視ゲームの割にはエロイ方であると思いま
すが、前後の物語の流れから純粋にマグワルのは最後のHだけかな、と感じます。
シナリオ  メーカー公称「ダウナー系青春恋愛ADV」だそうですが…。
 確かに主人公は、無気力系の学生で、意識して目立たないように振る舞い、養子と
いう家庭環境から優等生であろうと、本来の自分を殺しているうちに何が本来の自分
か解らなくなっている−という状況下にあります。
 主人公はダウナーですが、物語自体はダウナーっぽいシラケ(死語)た感じはありま
せん。
 寧ろ、本来の自分探しという点では、広義の文学的なテーゼがあると思います。より
狭義として捉えれば社会問題でしょうか?
 3人が攻略対象という今日でも少な目の攻略対象人数ですが、それぞれ重めの問
題を抱えています。

 クラスで苛めの対象にある 「白木かなめ」
 優秀で富豪の家に生まれるが、未来に何ら展望を持てない 「桐宮弥津紀」
 ドラッグに依存しかかり、奇抜なコスプレと行動をとる 「ケットシーねこ子」

 いじめ 無目的 ドラッグ
 米国ならここに犯罪とセックスとロックンロールが入りそうですが…。閑話休題。
 と、現代社会の抱える若年層の問題をエロゲーのヒロインに仮託するという、かなり
重いテーマが根幹にあるシナリオです。
 で、主人公は、敢えて無個性・そこそこの優等生を演じているうちに自分を見失った
という文学的袋小路に位置している訳ですから、昨今主流の所謂「萌えエロ」や「抜き
」に特化したゲームとは明らかに一線を画しています。

 物語の流れとしては、表面上友人と当たり障りのない付き合いをして、無色透明で
無味乾燥(と主人公の主観では感じていた)な学生生活を送っていた主人公が、問題
を抱えるヒロインと出会い、関わることで、次第に自分と言う色を取り戻していきつつ、
ヘヴィな問題を抱えたヒロイン達とそれを乗り越えていく、てな展開です。

 前述したように、ステロタイプな要素が少ない点が、ヒネクレモノの私には非常に気
に入りました。
 主人公は一人暮らしで、目上の人間にもタメ口。隣には朝起こしてくれる幼馴染が
いて、学校ではクラブにも属さず睡眠を貪る云々…。
 まあ、この主人公「加々見公平」に義妹はいますが、そもそも義理なのに非攻略です
し、上記のテンプレートはどれも当てはまりません。
 それだけで、かなりプレイをする気が増加して、久々に最後までプレイしたゲームに
なりました。当然、シナリオが読ませる展開であった事もありますけど。

 シナリオ自体は、3人のヒロインで結構出来に差があるようには思います。
 最も良く出来ていたのが苛められヒロインの「白木あえか」で、反対にちょっと浅いし
シナリオ的に一歩下と感じたのが生徒会長巨乳キャラの「桐宮弥津紀」です。
 詳しくは総評にて。

 シナリオ序盤と後半でやや主人公の性格が異なる、というか前半の分裂症気味の言
動がやや不自然な感がありました。 
総評  全体的に、ボリューム不足というか、やや作り込みが甘い感じがします。
 提示しているテーマが重い割には、あまりエゲツナイ鬱展開にならない箇所がその
代表です。逆に胸糞が悪くなるくらいの鬱ゲーだと、恐らく引いてしまし、ジャンル違い
になるでしょうから、ヘヴィさを突き詰めろとは思いませんけど。
 青春恋愛ADVとしてはこの程度のウェイトで良いといえば良いと思います。

 と書いてみましたが、すべからく、微妙なところにあるゲームです。
 まず、ラストが綺麗に纏まり過ぎている点がそれで、プレイ後はそれなりに爽やかな
感動を与えてくれる点は大いに結構なのですが、ちょっと余韻というかインプレッション
が足りない気もする。
 でもプレイ後はこういう綺麗な終わり方の方が良いとは思ったり、思わなかったり。

 ヒロインの問題にしても「かなめ」の苛めに関してはかなり強烈に書いてますが、他の
2ヒロインについては、やや浅薄。倫理上の問題もあるでしょうが、「ねこ子」の服用す
る恐らくアッパー系ドラッグは、そう大したものではないですし、「弥津紀」のある意味
クライマックスである海外でのベランダダイヴにしてもそこへ至る展開が急激過ぎて、
メインインシデントになるには説得力が足りません。

 とどのつまり、全てのシナリオが「家族」「家族問題」「家族の在り方」的なテーゼに
向かい収束していきますが、「家族」を謳うなら、もう少しシナリオ本編で「家族」につい
て論じるシーンがあって然るべきだったと思います。ラスト近辺でサラっと家族ゲーム
をコンプするようなシナリオなので、メインテーマとして掲げるにはちと説明不足。
 とはいえ、このあたりの家族について描くととてつもなく冗長になったり、ドロドロとし
てしまう可能性も無きにしも非ずですから、この程度のライトさで良いと言えば良いの
かもしれませんが。

 結局取り込んだ問題はヘヴィでも、表現形式はライトノベル・エンタメノベルの域にあ
るので、ややどっちつかずな面が目立つのではと思います。
 尤も、娯楽作品としては良い出来であり、とことん鬱な展開を見せられたら、個人的
に投げ出していた可能性もあるので、これはこれで良いと思います。
 我ながらどっちつかずですけど。
 しかし、折角18禁要素というライトノベルやジュヴェナイルで表現の制約がある軛から
フリーな部分を使える叩き台があるので、もう少し掘り下げても良かったとは思います。

 最後に「弥津紀」シナリオは完全鬱ですがBADENDの方が個人的に好きです。
 破滅的・刹那的な生き方を突き進んでいたキャラクターには一番相応しいラストでは
ないでしょうか?
オススメ度  鬱ではないけど、シナリオ重視で、ステロタイプな萌えエロゲームに食傷気味なプレ
イヤーにはやってみる価値はあるかと思います。
 監修という立場ですが、良くも悪くも山田ではなく「田中ロミオ」氏的な色が濃いゲー
ムですので、プレイヤーを選びそうですが。
 最近所謂『萌えエロ』系のゲームを2本ほど途中断念で売り飛ばし、ゲームをプレイす
る時間も乏しい中でコンプリートまで持って行かせてくれたゲームですので、個人的に
は評価したいです。
 もう少し作りこんでいてくれれば8点だったんですけど。というか妹攻略対象にしてくれ
ないかな?「家族」が主幹テーマなので難しいシナリオになりそうですけどね。
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