トップページへ戻る    感想一覧へ戻る   FAKE STAR OHP

氷花ノ幻夜

プレイ時間 CDレス
プレイ
インストール
容量
CG枚数 回想 ボイス 評価
3時間強★ 225MB 24枚※ 無し 無し 5点


★「ここみ」各選択肢総当りで1時間30分程度
「依子」同じく1時間40分程度
※差分含まず

★事前に期待していたもの
タイトル買い。1.5Kというお手頃な値段につられて。
ケース裏の「それは、約束された悲劇の物語」というコピーに惹かれました

システム  最低限の機能はあると思います。
 まあ、1.5Kですから、あまり多くを望んではいけないのでしょうが、昨今の充実
したシステムに比べるとやや寂しい所はありますね。

 操作は上部のツールバーのみ。
 右クリックはメッセージの消去のみです。

 フルスクリーン/ウィンドウ切り替え 有り
 セーブ・ロード 11スロット
 テキスト速度(4段階調節・既読文章の速度調節4段階。共に一括表示選択可)
 オートモード(5段階調節)
 メッセージスキップ 有り
 ホイールマウス メッセージ読み進め・バックログ参照 対応

 これだけです。まあ、プレイする時間も短いのでそれほどストレスは感じないで
しょうか。
 問題としては以下を感じました。

 1.マニュアル無しは同人ソフトでは普通なので良いと思うが、HTMLファイルの
   簡易マニュアルくらい付けるべきだろう。

 2.セーブ・ロードが実行したポイントではなく、前のシーンにずれる。

 3.既読・未読判定のスキップがやや怪しい気がする。

 4.サークルロゴが出る場面や一部のシーンで(こちらは演出上でしょうが)メッ
   セージスキップが出来ない。これはストレス。

 後、インストールランチャーや全く最初のプレイを行う場合に「体験版」というメッ
セージが示されます。これは些か気分が悪い。店頭で殊に表示が無かったのに、
体験版掴まされたか?と思ってしまいます。
 パッケージには何も記載が無いのに。
 実際の所、まだこの物語は完全ではなく追加エピソード等がアペンドで出るらし
いですけど、製品版なら体験版の記載は外すべきでしょう。
音楽・CV  CVは無しです。最近同人でもレベルの高い声を付けるゲームが増えています。
 まあ、個人的にはボイス無いのは一向に構わないからこちらは問題とは思い
ません。

 音楽は中々の佳曲揃いです。曲数はあまり多くないですが、OP画面のメインテ
ーマを始めとして全体的にキーボードサンプリングを多様した美しい曲が中心に
なっています。
 特に違和感のある曲は無し。良い趣味のBGMですね。
CG・立ち絵  背景は実写取り込み加工。同人には良くあるパターンです。

 立ち絵はそこそこのパターンがあり、意外に動きがありここはプラスの点。
 1枚絵CGは特に凄いという点もありませんが、きっちりと纏まった絵柄で統一
されており、構造的にもおかしい所はなく、無難なレベルにあると思います。
 但し、2ヒロイン「依子」「ここみ」では、あきらかに「依子」のCGに力が入ってお
り、美しいCGは「依子」の方が多いですね。
 「ここみ」のCGはエンディングのCG以外はやや手抜きと感じる事があったりなか
ったり。

 全体としてはレベルは中々に高いとは思います。

 後、システムの方で述べようかとも思ったのですが、現在のVer.1.02のパッチを
当ててもCGモードに登録されないCGがあります。CG閲覧のページが1ページし
かなく、そこに12枚が表示されますが、それ以上のCGを見ようとしても次のペー
ジに飛ぶ事が出来ません。
 これは次の修正パッチで改善されるのだろうか…。
エロ  特に濃くも無く薄くも無い。
 「ここみ」は性欲異常という性癖があり、「依子」は接触に対してある設定から
超絶に過敏という前提がありますので、最初から快感にヨガってはくれてます。

 「依子」 本番2回(正常位・後背位)・オナニー
 「ここみ」 本番1回 BAD系シナリオで本番1回、フェラ1回

 というところです。シナリオの長さからするとそれなりに力は入っているというと
ころでしょうか。
シナリオ  家庭環境とか色々と不幸な人生を背負い、非常にネガティブで後ろ向きな性格
を形成した大学生の主人公「松山宗司」が幼馴染「高神ここみ」の招きによって
ロクな思い出もない北国の故郷へ正月休みに戻ってきた。
 それからの数日を描いたお話です。

 雪深い北国の辺境。廃校になった中学校の校舎での「依子」との邂逅。
 舞台設定は、タイトルに相応しい寒い国でのファンタジーというストーリーとは
上手く合致しています。

 さて、ヒロインですが、一方的に主人公を慕っている幼馴染の「ここみ」
 及び、偶然に立ち寄った夜の廃校舎内で出会った不思議な「依子」の2名。

 まず、「ここみ」ですが、快活+甘え系のヒロインです。
 性欲異常と狭心症持ちという背景がありますが、特にシナリオに見るべき点は
ありません。
 キャッチコピーの「約束された悲劇の物語」とも彼女のお話は全然関係が無い。
 過去に主人公と性的交渉(本番無し)があった事件を、主人公と「ここみ」で捉
え方が異なっていて、それが主人公に罪の意識を与えるというバックグラウンド
がありますけど、全然書ききれていません。非常に浅薄なシナリオです。
 はっきり言って面白くも何とも無い。

 次にタイトルと完全にシンクロしたメインストーリーの側にいる「依子」のお話
ですが、正直、こっちもこの程度のシナリオで「悲劇」というのはあまりにも誇大
コピーではないかと。
 ネタバレになってしまいますので、以下反転させます。(以下反転)

 「依子」は既に死んでいて所謂「幽霊」になっているという「悲劇」設定を与え
られています。このキャラ立てからして手垢付きまくりですが、その調理方法も
大して斬新ではありません。
 畢竟、幽霊と生身の主人公で触れ合う事が簡単に出来ない=性交が出来ない
という問題を語っているのが大半だと。

(反転終わり)
 ここで、この現象を説明するための駒として「華」という非人間キャラクターを登
場させて、辻褄を合わせようとしてますが、このキャラクターもまだまだ書き切れ
ていないですね。
 こちらも、特に深い感動を与えるレベルではないかと思います。
総評  「約束された悲劇の物語」
 という銘打ちがあるので、もっとファンタジーな事件を予想していましたが、非常
にちんまい物語でした。
 スケールが小さくてもそれはそれで全然構わないのですが、丁寧且つ面白い
お話(つまり読ませる)にしてくれないと、感動は中々得られません。
 実際、このボリュームでは説得力に欠ける点も多いし、アペンドで補うにしても
既に骨子は決まってしまっている訳ですから、物凄い改革・どんでん返しは望め
ないかと。

 まだ完全ではない≒体験版、という捉え方もあるでしょうけど、土台がこれでは
あまり成長は期待出来ません。
 使い古されたネタをどれだけ上手く調理するかが肝要なネタを使っておいて、
普通の物語では、申し訳ないけど、印象は非常に薄くなります。

 作り込みが甘過ぎですね。上手く仕立てればかなり面白いお話になるポテンシ
ャルは秘めていると思いますけど。

 まだまだ未完成であるのは確実ですので、化ける可能性はあるかもしれませ
んが、この時点での評価は低くせざるを得ません。
オススメ度  正直、これで商業作品の値段だったら、絶対に買いません。
 まあ、普通の同人ゲームレベルではないかと思います。玉石混合な態を示して
きた最近の同人ソフト界ですが、この程度では石ですね。
 いってみれば、値段相応の同人らしい作品。誉めてはいません。同人ゲームの
価格設定でシナリオでは商業作品を凌駕するゲームも散見出来るご時世ですか
ら。
 まあ、無難に纏まっているといえば纏まっています。
 この価格設定ならば損ではない出来ですから、普通の同人レベルのゲームを
お手軽に楽しみたいならどうぞというところでしょう。
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