トップページへ戻る    感想一覧へ戻る

黎明のラヴェンデュラ

プレイ時間 CDレス
プレイ
インストール
容量
CG枚数 回想 ボイス 評価
11時間★ 不可 1GB 84枚※ 39枠◆ フル 5点


★初回プレイ4時間30分強。
2週目以降、初回セーブポイントから各キャラ1時間30分程度。
オマケシナリオでCG及びシーン回収に30分。
※差分含まず
◆本番H以外も含む。

★事前に期待していたもの
個人的には「そらをみあげて想うこと」以来のSFモノなので、期待大の好物ジャンル買い。
時間が無いので、体験版や事前露出情報は一切チェックせず店頭買いしました。

システム  元々、Janis系のゲームってあまりプレイした事はないのですが、最近のJanis系共通
エンジンの模様です。
 システム的には一通り揃っています。

 ウィンドウ右横のアイコンで、
 セーブ・ロード(20スロット、サムネイル、シーンのタイトル、セーブした日時等付き)
 メッセージスキップ
 オートモード(11段階調節可能。音声付・音声無しのテキスト速度を個別に調整)
 既読テキスト参照(ホイールマウス対応)

 の基本操作が可能。これらを含めて、画面上端のツールバーから全てのコンフィグ
が可能になってます。

 フルスクリーン・ウィンドウモード切り替え可能
 BGM・音声・SEボリューム調整(アナログバー、ミュート可能)
 音声再生中のBGM音量自動ダウン
 未読メッセージのスキップ選択可能
 メッセージウィンドウ背景の透過可能

 と結構親切設計です。しかし、粗というか足りない部分が目立ちます。

 まず、ツールバーから何かを操作した際、次の動作がもたつきます。激重〜、と言う程
でもないですが、セーブ・ロードの際にちょっとタイムラグが出るので、ストレスを感じま
した。何をするにしても引っ掛かる感じがつきまとうのはかなりマイナス。

 また、メッセージウィンドウの背景をデフォルトで使用した場合、フォントが初期設定の
MSゴシックでは非常に見辛いです。キャラクター毎にテキストの色を変更出来たり、フォ
ントの変更を多数用意したり、アンチエイリアスや太字にフォントを装飾可能なデコレー
ションを装備する前に、もっと基本を考慮して欲しいものです。
 キャラクター毎に音声のOFFが出来ないのもちょっと。何故なら、後述しますが、CVに
難があるからです。

 それから、これはバグになると思いますが、1キャラクターのHシーンが回想モードに何
故か登録されません。CGモードには登録されていますので、明らかにミスですね。
 立ち絵とテキストが合致していないシーンも1つありました。これもバグでしょう。 
音楽・CV  主題歌・エンディング共に、お定まりの女性ボーカルな和製ポップス。
 正直飽き飽きなパターンです。マキシングルが同梱されていますが、キャラメルラップを
破く気にもなりません。そのまま未開封で売り払ってきました。
 BGMも特に印象に残るモノは皆無。作品世界にマッチしたかというと、これまた微妙。
 そこまでゲームにのめり込めなかった事実も手伝って、BGMは1曲として耳に残りませ
んでした。まあそれだけ無難と言う事かもしれません。

 CVは、ほぼ全員が微妙です。「デューノ」の声をアテている方のみ全く問題なかったの
ですが、それ以外は手放しで絶賛出来るレベルからは程遠いです。
 Hシーンではそれなりな演技だったので、日常会話よりもH関連でキャストしたのかと
勘繰るくらいに、日常会話とHシーンの喘ぎの間に落差があります。
 物凄く駄目ではないんですが、兎に角、微妙です。これしか言い様がありません。
CG・立ち絵  パッケージの箱絵は良いですね、ハイ。パッケージの箱絵「だけ」ならかなり良いです。
 …………。
 正直、原画家氏のイラストレーションと立ち絵のギャップは相当なものです。
 所謂、アニメ絵とかアニメ塗りの系統に属する立ち絵とCGだと想うのですが、塗りは相
当汚いし、ムラがあります。
 何となくですが、白系のボカシ光源を使う事で塗りの粗さを誤魔化しているようなCGが
多いように思えました。
 立ち絵のバリエーションは多くも無く少なくも無しなラインにはありますが、立ち絵の酷さ
がちょっと目に付き過ぎ、表情のバリエーションはどうでも良くなってしまいがち。
 特に、「リュナ」の立ち絵というか眼が酷いと感じました。

 また、1枚絵CGもかなり問題有りですね。絵によってはキャラクターの顔が別人とまで
は行きませんが、相当微妙に見えます。目線や眼の感じが相当、これしか言い様がない
のですが、微妙です。
 1枚絵の表情では、特に「ウィンクル」に乱れが多かったです。
 逆に「リュナ」は立ち絵が酷かった分、1枚絵のCGではマシに見えたような気がしなく
もないですが…。
 とはいえ、「ウィンクル」の立ち絵もかなり駄目なので、1枚絵も駄目となるとねえ。

 正直、パッケージの表面だけ見て購入するとかなり後悔する事請け合いのレベルでし
かありません。
 背景は結構気合が入っているんですが、背景だけ良くても駄目ですね。
エロ  何と言うか、無駄に露出が多いといいますか…。まあエロゲーを名乗っている以上、
エロシーンが入るのは当然で、入らなければその根幹が成り立たないのは理解出来る
んですが、ここで言いたいのは

 無理矢理に、乳やパンツを見せたりするシーンを挿入すると、シナリオそのものがぎこ
ちなくなるんではないか

 という事です。エロ薄と批判されるのを避けるために、無理に18禁CGを挿入する場面
をこじ入れて入るようにしか思えないシーンが多々見受けられます。

 基本的に、本番Hは途中の選択肢により、主人公が半ば手篭め的にヒロインを犯す
(とはいえ、ヒロインは嫌がって無いし、事後合意的な感じなのでソフトな強姦未遂です
けどね)か、または最後に普通の純愛Hシーンが入るか、の二択です。
 最後のHには、ほぼフェラ有りますね。無いキャラクターもいますけど。

 それ以外に寸止めとかSF設定を利用した触手メカによる陵辱や神経ガスを小道具に
した妄想系の陵辱があります。プラスとしてオナニーを覗いたり、見せ付けられるシーン
もあったりして、18禁要素はそこそこの分量です。
 他にも不自然に下着を見せたり、主人公にボディを触らせたりと、ヒロイン達がまるで
痴女の如く振舞うシーンが結構見られます。
 しかし、最終的なHシーンでは処女で、貞淑てな感じにオチがつくので、このあたりが
非常にアンバランス。
 まあ、初めての筈なのにしっかりと感じてヨガリまくるので、その点は痴女的な素養が
活かされていると言えなくもないですが。

 全体的に、ちょっと古臭いゲームに多い、無意味な性器や下着の露出シーンでHCGを
稼いでいるように感じられ、その点が非常にハナに突きました。
 これで本番連続やりまくり、というH展開でしたら、まだ吹っ切れていて良し、となったか
もしれないんですが。
 陵辱もソフトですし、最後のHだけそれなりに力入ってますが、合意強姦的なHシーンは
超特急な短さですから、基本的にH要素は薄いですね。
 その割には、H要素が大バーゲンで大判振る舞いされているので、一番気合の入る
べき最後の和姦Hが霞んでしまってます。抜きゲーではないのですから、もう少しプレイ
ヤーをじらしたり1回のHに力を入れても良いんではないかと思いました。

 各キャラのエンディングを見た後に、オマケシナリオと称してコスプレHや器具を使った
後日譚的なHシーンが見れますが、まあ、あくまでもオマケレベルで、各キャラ5分程度
です。
シナリオ  とある戦闘が屈託になって、世を拗ねてしか見れなくなった元エースパイロットが、何
故か女性だけの士官候補生を伴い練習航海に出る命令が出され、そこに銀河文明の
発祥とかいう宇宙的謎な物語が絡んでくる、という展開です。

 正直、シナリオもキャラクターも全然書ききれてません。況や、主人公をや、ですね。
 日常会話は結構面白いんですが、クライマックスに至るまで、単に宇宙船でセコセコ
とキャラクターがやり取りして、本番のないHシーンが無意味に挿入され、気が付けば、
全銀河的な陰謀と秘密に正対していて、唖然としてしまうくらい、展開が早い。

 更に、共通ルートと言うか、単にキャラクターのいる場所を選択して、ちょっとしたエピソ
ードの違いがありますが、全体の半分以上が、主人公に絡んでくるキャラクターが異な
るだけの一本道共通ルートです。
 肝心のキャラ別なクライマックスも、展開は殆ど同じ。
 結局は異文明の助けという伝家の宝刀を借りて、悪は滅びてハッピーエンド…。

 メインヒロイン(らしい)「エイダ」と裏ヒロインの「リュナ」のシナリオのみ、それなりに力
が入ってますが、そこに登場してくる敵役のキャラクターが殆ど描かれていないので、
深みには非常に欠けてしまってます。
 それ以前の問題として、各ヒロインが抱える屈託とか、主人公の屈託があまりにもご
都合的に速攻処理されてしまい、しかも立ち直るパターンがセリフは違えども流れは殆
ど同じなので、ほぼ100%な一本道シナリオにキャスティングされているヒロインだけが
違っていると見た方が良いかもしれないです。
 シナリオに絡められた謎とかも殆どありません。情報から半ば閉鎖された宇宙船によ
る単独航海というシチュエーションからは色々なステロタイプなドラマが生成可能だと
思いますが、そのステロタイプすらも出ていないのでは、それ以上に成長する可能性は
ゼロですね。

 長ければ良いというものでもないですが、壮大なスペースオペラとは程遠い、非常に
小粒な物語で終わってしまってます。
総評  付属のマニュアルが3色刷り見開き2ページなのに対して、設定資料集は表紙・背表紙
も含めると24ページ。
 かなり本格SF的な設定と世界観は整えられているのに、その力の入った背景が全く
と言って良いくらい作品にリフレクションされていないのは残念です。
 システムとして、他のゲームで幾つか採用されていましたが、TIPS的ヘルプを付ける
事により、よりSFの設定を前面に出せたのではないかと。とはいえ、このシナリオの厚み
では単なる薀蓄の垂れ流しに終始してしまった可能性が大ですが。

 宇宙戦闘艦艇と人型起動兵器という、いかにもロボットアニメ的なギミックを用意してい
るのに、戦闘シーンにスピーディさも動的な要素も激しく欠如しています。
 謎とか伏線も殆どないので、とても壮大稀有なドラマにはなり得ていない。料理の仕方
によっては、かなりドラスティックな物語に昇華するベース設定はあると思うのですが。

 ヒロインキャラクターは、結構個性があって、それなり以上にキャラ立ちしているのに、
シナリオの短さと展開の浅さによって活躍しきれていません。これは残念。
 異種族のロリキャラ「ディーノ」にしても、その特異さが「発情期」というエロ要素だけに
しか活用されていないのが、キャラクターを活用しきれていない典型でしょう。

 また、主人公もいまいちキャラクターが掴み難いです。もっとヒネクレているか、斜に構
えているかしたり、逆にセクハラ大魔王だったりしたら、面白かったと思うのですが、ロク
に説明のない過去を引き摺っていると思わせて、ヒロインを手篭め同然に犯す事でアッ
サリ立ち直るのはどうかと。
 硬派か軟派かもはっきりしないですし。嫌なヤツではないし、能力はあるので、主人公
として輝く下地は持っているんですけど、SFモノの主人公としてはあまりにも個性無しに
描かれてしまっているのは無念。

 サイエンス・フィクション又はファンタジーのどちらでも良いですが、その壮大な舞台だ
け組み上げて見たものの、楽屋裏はキャスト不足・台本不足・裏方不足で空虚な公演に
なってしまったC級SFオペラてな感じですか。
オススメ度  久々の本格的なSFモノ、と期待していた分、落差が激しかったので、厳しい点数にな
ってしまいました。
 シナリオは、無難には纏まっていますが、CV、絵、BGM、OPアニメーション、エフェクト
の演出−どれもこれも標準以下では、見るべきところは殆どありません。
 SF大好き、なプレイヤーが買うと、シナリオの薄さに失望を禁じえないでしょうし。
 定価で買うにはちょっと対費用効果が悪過ぎますな。
 このメーカーには以前痛い目に遭っており、それ以降のソフトラインナップも微妙なもの
が多くて手出ししてなかったのですが、手出ししない方が幸せになれたと思います。
 特段、オススメするポイントってありませんね。地雷ではないし、駄作とまでは行かない
けど、見るべきところはありません。
 中古で安くなったり、ワゴン逝きになったら買っても良いかもしれませんが。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送