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おしかけプリンセス

プレイ時間 DVDレス
プレイ
インストール
容量
CG枚数 H回想 ボイス 評価
18時間弱★ 最小2MB
最大1.45GB
109枚※ 7枠 ヒロインフル 6点

★初回プレイ6時間30分弱。
2週目2時間30分。
3週目より共通ルートを流用して、1キャラ2時間弱。
「カリン」のみ1時間強。

※微細な差分も含むので、実質50〜60枚程度。

★事前に期待していたもの
低価格(実売4500円前後)だったので、発売日当日に衝動買い。
このメーカーのゲームは初挑戦。低価格でどの程度のモノに仕上がっているかに興味あり。

システム  VisualArts系の汎用エンジン、REALLIVEを使用しています。安定度ではピカイチかも。
 ちょっとセーブ・ロード等の画面変更が以前のシステムよりも心持ち重いかなとは思
ったりしますが。

 一番面倒臭いのは、メディアレスでプレイする場合、インストールフォルダに形成され
るREALLIVE.exeをクリックする必要がある事。WindowsXPの場合、スタートメニューへ
ショートカット作ってしまえば良いんですけど。
 メディアレスでプレイ可能な仕様は嬉しいのですが、せめてランチャーをメニューへ自
動登録する機能は付けてください。

 ホイールマウス バックログ対応。(メッセージウィンドウ単位で巻き戻し。)
 右クリック 操作メニュー呼び出し。

 操作系統は、右クリックとメッセージウィンドウ右端のアイコンにて。

 フルスクリーン・ウィンドウモード 切替
 メッセージスキップ(既読のみ。未読部分はCtrlキーでスキップ可)
 メッセージウィンドウ消去操作
 セーブ・ロード(40スロット。任意の場所で)
 クイックセーブ&ロード(1スロット)
 1つ前の選択肢へ戻る
 テキストスピード変更(アナログバー調節とノーウェイト一発設定)
 音声・BGM・効果音・総合ボリューム調節(アナログバー調整。ミュート可能)
 キャラクター個別音声On/Off 有り
 オートモード 有り(クリック間隔を文字数と表示時間で調節可能)
 キャラクター音声再生中のBGMフェード機能装備
 メッセージウィドウ背景色変更可能
 日付ウィンドウのOn/Off
 終了操作

 頻繁に使用する機能はアイコンに割り振ってありますし、この他にも細かい環境設定
が行えます。
 現行の足回りの中では最高のレベルにあるひとつでしょう。
音楽・CV  シンセサイザーサンプリングと打ち込みドラムを使用した、いかにもゲームらしい曲が
並んでいます。
 オマケの音楽鑑賞モードでは、ボーカル付きの主題歌を含め21曲が聞けます。
 主題歌のSEが歌舞伎しているのには笑いましたが、歌自体は至って平凡な女性ボー
カルモノです。
 特別良い曲はありませんが、安心して聞けるゲーム音楽ですね。
 恐らくサウンドトラックが特典として付属されていてもキャラメルラップを剥がす事はなか
ったと思います。これが評価。

 CVに付いては、キャラクターに合わないかなあ、と殆どのキャラクターの登場時に感じ
ましたけど、プレイしているうちに慣れました。
 ちょっと感情の入れ方がぎこちないと見える声も少々ありましたが、概ね標準以上の
レベルにあると思います。
 満点のキャストではありませんが、80点を意図して成功した布陣と言えばより的確な
感じがします。

 しかし、その中でも流石に「結花」役の「涼森 ちさと」さんは素晴らしい演技を見せてく
れます。2重人格とも言うべき極端な性格の反転を完璧に演じきってます。 
CG・立ち絵  背景はそこそこ綺麗ですね。
 絵柄そのものよりも、噴水の水が流れ落ちたり、空の雲が流れるといった具合に動き
のある背景が大きな特徴でしょう。そこそこ手の込んだ小技が見れますが、これによっ
て特にシステムが重くなったりしないのはマル。

  次に絵柄。原画家氏が3名のようですが、やはり複数キャラクターデザインの宿痾とも
いうべき統一感のなさがあるのは否定できません。
 違う絵師さんによるキャラクターが並ぶとかなり違和感があります。特に「しのぎ」系の
絵柄は他とかなり違ったタイプなので浮いている感じが。
 立ち絵では、忍者キャラクターの「はじめ」が残像を残して「シュッ」と消えるアニメが取り
入れられているのが面白いです。がそこで力入れ過ぎたか、他は淡白ですね。
 ポーズと表情は正直少な目。貧弱とまでは行きませんが、感情を表現するには不足気
味かと。
 それ以上に、TPOに合わせた立ち絵が出ないのが寂しい。
 ハンバーガーショップでアルバイトするシーンでは全く制服姿が出ませんし、ファミレス
の模擬店シーンでも「しのぎ」にちょっとだけコスチュームの立ち絵があるだけ。
 寝巻きと制服しかバリエーションが無いのは、ゲームの長さと比較するとかなり不満で
すな。

 1枚絵CGは、デザインによって塗りのタッチもかなり違ってくるので一概には言えません
けど、安定はしていると思います。問題はCG数ですね。
 ここぞという所でCGが全く出ません。アルバム登録されるCG枚数は100枚超えますが、
差分全てを1枚にカウントしているので、実質1キャラ7枚前後。その半数はHCGとなれ
ば、日常シーンでのCGが如何に足りないかは一目瞭然。
 そのCG不足を感じさせなくするほど物語が面白ければまた話は別でしたしょうけど・・・。
エロ  薄いです。
 全キャラクター、物語の最後に1回こっきり本番があるだけです。
 それ以前ではパンチラすら見れない、家庭用ADVかと紛うくらいに何もありません。
 まあ、通常視点では見れない角度なのにパンツ見せているゲームよりはマシかもしれ
ませんけど、この角度で見える筈を見せないのはXゲームとしてどうかと・・・。

 フェラはあったりなかったり。
 巨乳、普通、貧乳の割合は均等。 
 尺は短いし、1回戦は1撃でファイナル。CGは1シーン2〜3枚。(差分含まず)
 卑語は皆無。

 ぶっちゃけ、家庭用機種に移植を考えているとしか思えないですね。
 ま〜、それ程唐突にHシーンに突入しないし、主人公がオヤジ化しないくらいが誉めて
も良い点でしょうか。
シナリオ  戦国の世に滅亡の憂き目に遭った「浅川氏」。が滅亡寸前に5人の重臣と姫が逃亡に成
功。何時の日か、男子が浅川の血縁に誕生したら、その男子を中心にお家再興を、を宿
願として家臣は市井に紛れて行く。
 しかし、それから400年、待てど暮らせど生まれるのは女子ばかり。お家再興を五家の子
孫が待つうちに、何時しか時代は現代。
 漸く「浅川 直之」という跡継ぎが生まれたが、生誕後「直之」は両親と一緒に海外駐在
へと。
 10数年後、単身ドイツより帰国した主人公の下に、盟約に従い5名の重臣の子孫が集ま
り始める。浅川家再興の為に。
 お家再興なぞ知った事ではない現代の学生「直之」だが、なし崩しに集まってくる家臣の
子孫と同居生活を始める事になる。
 さあ、お家再興はなるのか?

 現代の俄か殿様の部屋に、重臣の子孫に連なる美少女が集まって同居するゲームです。
 が、この設定、全然活かされてません。
 単に、侍少女とか忍者少女を登場させる為だけの、エクスキューズです。

 一応、物語の大まかな流れは
 突然押しかけてきた奇妙な美少女にあたふた → 一緒に暮らすうちに仲間意識を持つ
 → が、多人数同居がバレで大家に立ち退きを迫られる → 皆で暮らせる家を探す
 → 金を稼ぐために文化祭の模擬店を企画 → その中でひとりのヒロインと引っ付く

 てな感じになります。
 設定に関わる悪役や妨害役が登場しますが、基本としては同居アドベンチャーの王道に
なるかと。
 しかし、物語中盤から個別ヒロインルートに入ると、お家再興とか金稼ぐお話とかは、完全
にオマケになります。
 これらはあくまでも主人公とヒロインを同居させる為だけにある設定ですので、こちらのス
トーリーに期待すると臍を噛む事になるでしょう。

 物語の分量としては、ヒロイン6人(ルートによると7人)が勢揃いするまでのコミカルな展
開が65%(プレイ時間4時間強)で個別ルートが35%(プレイ時間2時間程度)となっています。
 最初から登場するヒロインと、最後に合流するヒロインの存在感の差が出るのは仕方ない
ですが、特に「甘露」と「結花」の登場が他の4名と比較するとかなり遅目なのはアンバラン
スの謗りを免れないでしょう。
 キャラクター別の感想は、総評の所に掲載する事にして、続きます。

 物語前半を見ると、萌え系ドタバタ同居ゲームという感じなのですが、個別シナリオに入る
と、序々に重苦しい物語になります。この温度差を許容出来るか否かがまずシナリオの好悪
が分かれそう。
 キャラの萌えというか魅力の面では重い個別ルートに集約されている感が強いですけど。
 突然シリアスとはならず、段階を経て物語をヘヴィに落として行っているので唐突でユーザ
ーおいてけぼり、とはなり難いとは思います。このあたりの構成はまずまず評価できますね。
 反面ちょっとクドい面もあります。まだそのネタを引っ張るのか、的な。私は個別部分が結
構ダラダラとしているキャラが多いかなと感じました。お話がシリアスなのも一役買っている
でしょう。
特にメインキャラ格の「はじめ」、「しのぎ」では冗長的な展開が延々と続くのが嫌でした。
 更に、個別ルートに入ると、他のキャラクターが殆ど絡んで来なくなるのもマイナス。

 最大の問題は、各ヒロインルートに入る前に、主人公と対象ヒロインが接近するプロセス
が欠如している所です。選択肢ひとつで個別ルートに入ると、主人公がいきなりそのヒロ
インに構いだすのは不自然極まりない。全員集合シナリオで個々のエピソードが書き切れ
ていない事が原因だと思います。
 まあ、その分個別ルートでタップリと各ヒロインの魅力は見せて貰えますけどね。 

 お家再興とか現代の家臣と殿様といった設定を活用しきれていない、比較的キャラ個別
の物語中心のキャラゲーという所が私的な捉え方となっています。
総評  攻略ヒロインは7名。
 ちょっと多目だから個別が薄いかな、と予想していましたが、意外にボリュームがあって
驚きました。その中でオマケ的なヒロイン「カリン」はやはりオマケ扱いでしたが。かなり
どうでも良い物語でしたし、主人公の存在意義も薄目でした。大体、メイン扱いの「はじめ」
と「しのぎ」以外のシナリオでは登場すらしませんし。完全にエクストラ扱い。哀れ・・・。

 キャラゲーの側面があるのに、キャラ立てに大失敗しているのが、「甘露」シナリオ。
物語を云々言う前に、精神年齢が3歳児並では、プレイしていて嫌悪感しか覚えれません
でした。我が侭以前の問題ですね、このリアルに精神が幼児なキャラクター。

 キャラ的にはその他の5名はそれなり以上に立ってます。萌え要素も十分にあるでしょう。

 問題は萌えもあり特徴のあるキャラクターを活かしている物語かどうか、という点。
 はじめ」シナリオはあまりにも重過ぎるネタを引っ張りすぎているし、「しのぎ」もメインな割
にはベタで薄っぺらい。
 母娘のコンビは、どうも今一歩踏み込んだ展開に欠けてます。人妻奪取となる「巴」シナ
リオはその内容に対して、各キャラクターの葛藤や心情の描き方がかなり浅いし、その際、
お互い絡んでこなければならない筈の、母「巴」と娘の「まどか」が殆ど蚊帳の外に置かれ
てしまっているのもどうかと。

 影が薄そうだった巫女キャラの「結花」シナリオが意外に出来が良かったのは予想を良い
意味で裏切ってくれました。内気系のキャラクターなので萌えという点では、他のキャラに
かなりビハインドがありますが。

  主人公は優柔不断タイプですが、曲がりなりにも成長するところを見せてくれますし、
自分の限界が分っている人物として書かれているので、特に反感をもたれる事もないでし
ょう。ちゃんと年上に敬語が使えるエロゲ主人公はそれだけで貴重ですし。(苦笑)

 キャラ同士の会話は結構笑える面もあるのですが、全体的にテンポが良くてスパっと進
むようなテキストでも展開でもありません。キャラの魅力でかなり助けられている部分が多
い物語だと思います。

 結果として、キャラゲーとシナリオゲーの両者を狙って、どちらもそれなりに水準をクリ
アしているのですが、結局どちらに突き抜けられない標準レベルに留まってしまった作品の
ように考えています。

 玉虫色の効果を狙っても中々どうして上手くは行かないものですな。
オススメ度  シナリオをそれなり以上に重視する萌えゲー好きの方にならオススメしたいのですが、萌
え要素が結構高そうな割にはシナリオが結構重苦しいので、そこがポイントとなりますね。
 このアンバランスさをどう評価出来るか。
 もっとも、いきなりファンタジーとか奇跡を使って解決する安易さはありません。掘り下げは
浅いですが、丁寧に書かれた物語だと評価したいです。
 物語薄っぺらな萌えゲーよりは全然やり応えはあるでしょうから。

 低価格という点を免罪符にして、あちこちで手を抜いたお手軽ゲーが何となく流行になって
いるように感じる今日この頃。
 CGの数は兎も角、シナリオをそれなり以上に煮詰めた低価格ゲームとしては対費用効果
は高い方。
 私的には、物凄く面白い物語だとは思いませんでしたが、凡作以上だとはみなしています。
 殆どのキャラクターのお話がそれなりに楽しめました。
 よって6点。ちょっと甘いかなあという気もしますけど、このボリュームと演出を定価5800円
で出してくれるなら満足度はそこそこ以上。今後への期待も込めてちょっとだけ高い点数を
献上しました。
 あんまり誉めてはいないですけどね。

 萌えとシナリオのバランスが良好と捉える人なら7〜8点が付きそうですし、ちょっと焦点が
見えない中途半端と感じる人ではマイナス1点くらいになるかな。 
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