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PIZZICATO POLKA 〜彗星幻夜〜

プレイ時間 DVDレス
プレイ
CG枚数 H回想 ボイス 評価 オススメ
点数
13時間弱★ 110枚 13枠 フル 6点 6点

★初回プレイ約2時間50分。
2回目以降、それぞれ凡そ
ニコ編 1時間50分。
ヘンリエッタ編 2時間20分。
ミリアム編 1時間30分。
ステラ編 3時間50分。
Hシーン回収に30分くらい。

★事前に期待していたもの
基本的にファンタジーや伝奇モノが好き、に加えてメーカー買い。
タイトルの「ピッチカート・ポルカ」という音楽的な響きに興味が惹かれたので。

システム  基本は全て揃っていると思います。
 完璧とは言えませんが、個人的にはホイールマウスでメッセージ送りが可能な仕様が
大好きなので(クリックは疲れるから)、満足してます。

 インストールは最大3139MB(高音質)、1199MB(音声有り)最小387MB(音声なし)
の3段階選択が可能です。

 操作系は画面上端のツールバーから極一部選択可能。
 通常は右クリックで呼び出しのコンフィギュレーション画面、及びメッセージウィンドウ
右上端のアイコンで簡易メニューが操作できます。

 画面上端ツールバーでは
 ゲームの終了
 フルスクリーン・ウィンドウモード選択
 オンラインマニュアル呼び出し

 アイコンでは
 メッセージスキップ開始・終了
 バックログ参照
 オートモード開始・終了
 環境設定呼び出し
 メッセージウィンドウ消去

 右クリックでは、アイコンの操作に加え、
 セーブ・ロード(それぞれ80スロット)
 次の選択肢までスキップ

 以上のようになります。

 スキップは既読メッセージのみ対応。選択肢毎でスキップ設定が解除されてしまうの
がやや煩わしかったです。
 未読メッセージのスキップはCtrlキーを押すしか対応してませんが、この手のゲームな
ら特に苦痛は感じませんでした。

 バックログ音声再生は非対応。こちらは少し残念。
 メッセージ速度 3段階調整。
 オートモードクリック速度 3段階調節。
 画面効果の速度調節 2段階。
 BGM・音声・効果音はミュートも含め6段階調節可能。高音質になると、音声を食うくら
いボリュームが上がるので、調整は必須です。
 右クリックを、メッセージウィンドウ消去又はメニュー呼び出しのどちらを優先か選択。 
音楽・CV  音楽ですが、タイトルに『PIZZICATO POLKA』とありますから、アコースティック系の
ヨーロピアン・トラッド的な音楽を期待していました。
 『ピックレスの指弾き弦楽器による、舞踏曲』
 直訳すると、こんな感じですか。
 がしかし、
 オマケモードで聞けるのは14曲なんですが、その内『ポルカ』とまでいかないにしても、
ヨーロッパ民謡的な曲は3曲くらい。
 残りはクラッシックでもない、普通なゲーム音楽でした。
 悪くないんですが、ヨーロッパ舞台ならもう少しベタに徹しても良いので、雰囲気を盛り
上げるBGMが欲しかった気がします。

 CVに関しては、全く不満なし。
 メインヒロインの「ステラ」を始め、キャラクターのイメージに合ったキャスティングがされ
ていますし、演技も問題ないです。
 男性キャラや脇役もしっかりした演技の出来る人を配しているのには好感が持てます。
CG・立ち絵  まずは、背景から。
 私事ですが、公私のどちらの理由でも年に2回は渡欧していますので、結構背景には
チェック入れてみました。
 見た感じ、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、オーストリアと中部ヨーロッパの街並
みをモデルに描いているようですね。
 少しパターンが少ないような気もしますが、ちゃんと観光地だけでなく、下町もしっかり
描けていると思いました。

 立ち絵は1種類固定。
 メッセージウィンドウ左に比較的大きなスペースのフェイスウィンドウを置いて、そちら
で表情を変えさせる演出です。
 この手法の是非は兎も角として、立ち絵の顔が少し赤面しているのは少々違和感あり
ました。
 で、肝心のフェイスウィンドウですが、絵のパターンはそれ程多くは無いと思います。
 しかし、デフォルメされた表情を使ったり、メッセージウィンドウまではみ出してしまう位
の大げさなポーズを取らせたりして、結構演出的にはコミカルで面白かったです。
 特に「ヘンリエッタ」と「ミリアム」のコミカルなフェイスウィンドウは微笑ましい。

 更に、珍しく主人公にも顔があり、フェイスウィンドウに頻繁に登場します。
 顔の無い主人公はあまり好きではないので、この点も宜しいと思います。 

 110枚のCGの内、デフォルメされたちびキャラがカットウィンドウで登場するCGが30枚
を超えています。
 カットインの方法とか等身を下げて描かれたヘタレ風味のCGは可愛らしいですけど、
少し多用過ぎる感じがしました。
 1枚絵CGは、気合がかなり入っていて、幻想的な色使いをされているものが多くて、
なかなか良かったです。それだけに、デフォルメCGが4分の1以上になっているのが惜し
いですね。
 絵柄自体には癖があると思いますし、乳首や乳輪の描き方も独特なので、好き嫌いは
ハッキリ分かれる絵かもしれません。
 個人的には服装に突っ込みたいキャラが幾人かいましたが、絵的には結構気に入り
ました。
エロ  攻略対象ヒロインは「ヘンリエッタ」を除いて、全員2回戦。
 この手のストーリー重視系のゲームではまずまずのレベルだと思います。
 が、サブキャラとのHシーンは全て主人公の妄想扱い。しかもHCG1枚で数分でお仕舞
なまさにオマケ扱い。
 シチュエーションとしては、姉妹ダブルフェラ、オナニーをピーピング、主人公受けプレイ
とバリエーションはそれなりにあるのですが。

 「ヘンリエッタ」の場合、主人公の絡みよりも濃厚と見える「静香」とのレズプレイで1枠
を消費。
 尺は特別長くもなし、短くもなし。卑語はありません。
 各ヒロインのHに1回はフェラシーンが装備されています。ちゅぱ音は控えめですがあり
ます。
 基本は全て和姦。
 着衣H率も低目です。「ステラ」1回目の民族衣装着衣Hくらいが目立つのみ。

 特殊Hには、とある力に操られた主人公が強姦まがいに処女を奪ってしまうHが1つ。
 が、これもドギツイ表現は無く、後からちゃんと和姦モードで穴埋めするので、後腐れ
があるとは言えません。
 BADENDルートでも、主人公の能動ではないHがありますが、これも特に淫靡という感
じもしません。伝奇モノとしては非常に大人しいHシーンばかりです。

 特筆する点は、Hにはありませんが、全体的に巨乳キャラの割合が多く、そちら好きな
人には歓迎されそうなくらいですね。
 メインヒロインだけあって、「ステラ」の2回目はそれなりにシーンも長く2ラウンドしっかり
描写になっていて、「ヘンリエッタ」のレスシーンと同じくらい濃いかな。

 前述しましたが、巨乳が多いけれど乳首の描き方が独特ですので、これが駄目という
人が出る可能性がありますね。
 まあ、総じて並みですか。H売りのゲームではないですし。 
シナリオ  魔女の伝説が残るアルプス山脈麓の街『ヘクセンブルク』。そこへ留学していた主人公
の先輩「生島静香」が3ヶ月前に行方不明になった。
 万聖節の近い街では2週間ほど前から若い女性を狙った通り魔殺人が起こっている。
 その街へ大学の後輩である主人公「鼓達也」が留学することになった。
 「達也」は仲の良かった憧れの先輩「静香」をこの機会に捜索しようと心に決めていた。
 折りしも、65年周期で接近する彗星が空を流れていた。

 てな感じですかな、冒頭は。

 初回プレイではどうやってもBADEND。
 2回目以降で序所に謎や伏線が明らかになったり、更に増加。
 最後のメインヒロインシナリオで一気に解決、大団円へ。

 という少し昔のゲームによくあるパターンを踏襲した構成になっていますね。
 メーカーサイトの説明にある「ミステリーアドベンチャーゲーム」の見せ方としては、オー
ソドックスですが、確実であるとは思います。

 『魔女』が登場する、ファンタジー的なモノと、殺人事件の謎解きというミステリー的な
モノを包括した、物語の謎を追う系列のストーリーです。

 攻略ヒロインは4人登場しますが、メインヒロインの「ステラ」シナリオ以外は、正直、
クライマックスシナリオへの足掛かり、という程度のお話です。長さも掘り下げも非常に
少なく、ストーリーの流れも基本は同じです。
 3人のヒロインの話をかなりサラっと流した分、最後の「ステラ」編では、この手の話の
お決まりである、『過去の真相究明』も含めて、一気にドドッと話が進みます。
 一応しっかりと最後は纏めていますが、そこへ到達するまでの各シナリオが、かなり消
化不良になってしまうのは、物語の組み立て上仕方ないかな。
 とはいえ、全体的にボリューム不足の感は否めません。

 第二次世界大戦、ナチズム、少数民族問題、異端、魔術、宗教問題...etc

 といった要素を取り入れた上に、各ヒロインの抱えるトラウマや劣等感、コンプレックス
まで物語に加えていますが、これだけの大風呂敷を広げた割には、物語自体が小粒に
終わってます。
 長ければ良いというものではないのですが、明らかに書き込みが足りていません。

 また、どのキャラクターも奇抜な口癖とか行動に依存していないのに、かなり良いカラー
を持っているのに、これを十分に描き切っていないと思います。
 もっと日常イベントを挟むなりして、キャラクターを立たせる事が可能だった思います。
 ストーリーが駆け足な為、ストーリーの狂言回しに終わってしまっているキャラクターば
かり目立つのは勿体無い。
 特に後半に詰め込み過ぎな傾向のしわ寄せが、最後の最後で現れます。
 ちょっと最後のシーンにはご都合主義が連続してしまい、重厚なテーマーを掲げていた
割に、陳腐な手法が最終手段として使われてしまったのは、ややゲンナリ。
 基本的にハッピーエンド。哀しい事もあったけど、それを乗り越えて、という前向きな話な
ので、プレイ後暗くはなりませんでした。
総評  少し余談から。
 ヨーロッパの歴史を物語にした場合、最早悪役の定番となっているナチスドイツが、案
の定登場しました。
 この物語には、放浪民族であるジプシーが、核となって登場します。
 名前は『ヘクセンブルク・ロマーニ』としてですが。
 ユダヤ人種へのホロコーストほど知られてはいませんが、ジプシーも敗戦の色が濃厚
になった大戦後期頃からナチスにより所謂民族浄化の犠牲となっています。
 正確な数は不明ですが、約50万人が殺戮の対象にあったと言われています。(実話)

 この物語では『クリスタル・ナハト事件』という大戦前夜の事件をベースにしているので、
史実をモチーフにしたかどうかは定かではありませんが。


 少数民族差別による種族間対立の感情が長い年月に渡って沈殿し、そのドロドロした部
分がとある形−この物語の場合『魔女』の復活儀式(黒ミサっぽい)−となって噴出した。
 というかなりヘヴィなテーマが、物語の1つの骨となっています。

 安直に、ナチスが『悪の権化』とか、『魔女』を倒す事が正義だ、といった勧善懲悪なシロ
モノに終始させず、歴史の暗部と我々単一民族には理解し難い概念である、異教徒や
異民族対立の根の深さをテーマとして持ってきた真摯さは評価したいです。

 しかし、こういった問題を提起しているのに、前述の通り全て書かずに、表面をなぞった
のみで終わってしまっている感じが強いです。
 『魔女』というオカルト的なテーマを扱うなら、もっと魔術的な非日常さをクローズアップし
てくるかな、と予想していましたが、物語の大半は、結構のほほんとした日常が続いてい
るだけで、「ミステリーアドベンチャー」と銘打った割には、緊迫感や恐怖感が徹底的に欠
如しています。
 歴史を感じる古い街並み、出没する殺人鬼、魔女の登場。
 といった舞台があるのに、舞台をヨーロッパにコンバートしただけのファンタジー系な物語
に終始してしまっています。
 バイオレンスやインモラルなゲーム展開や要素を結構期待してましたが、意外にヌルイ
流れになっているので、ここは不満。

 設定を大きくし過ぎた事が原因で消化不足に陥り、全体的に全て散漫な物語に終わっ
てしまった、というところでしょうか。
 なまじヘヴィなテーマを掲げるよりも、『魔女』事件をよりナローにピックアップして、各キャ
ラクターをもっと動かした方が、ゲームとしては面白くなったのではないかな。

 結果としてキャラクターは物語に沿って動くだけ。キャラクターが存分に活躍する場面は
あまり用意されていません。
 もう少し徹底した作りが欲しかったですね。
 キャラクターの萌えも少し狙って、物語には重厚な設定を付与して、とあれもこれも求め
過ぎてしまった。しかし、時間と分量が不足して、結果煮え切らないゲームに仕上がってし
まった。
 こんな感じがします。
 話としては先を気にさせる構成となっているし、ラストの問題解決がアッサリし過ぎな感じ
はありますけど、何とか無難に纏めているので、決して悪い作品ではないと思いますが。
 ライト・ジュヴェナイルをエロゲーにした、こんな感じかな。
オススメ度  本格的なミステリーとかハードバイオレンスを求めずに、ライト系なファンタジーが好き。
 ちょっと歴史的な裏設定があるとなお良い、という人なら購入して損はしないと思います。
 よって、6点。
 個人的には、不満は多いけど、普通作以上だとは思ってます。基本的に伝奇モノは好き
ですので。で、個人評価も6点。もっと大化けできるポテンシャルがあったと思うのですが。

 これまた余談ですが、地勢的な位置を考えると、やはりモデルは都市国家『ルクセンブル
ク』あたりだと想像しています。
  が、ローマ水道が出てくるので、結局あちこちの都市からヨーロッパらしさを集めて作った
舞台、というのが正解になると考えてますけど。

 後、特典の原画集はかなりネタバレになってしまうので、フルコンプ後に見るのが良いと
思いますよ。
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