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サナララ -SA・NA・RA・RA-

プレイ時間 DVDレス
プレイ
インストール
容量
CG枚数 回想 ボイス 評価
8時間程度 1.7GB 69枚※ 4枠★ 女性フル 7点


※差分含まず
★オマケH2枠。その他オマケ色々

★事前に期待していたもの
中古で安かった(3.98K)ので何となく。低価格品なのでお手軽短時間プレイを期待。
内容についての期待は「みずいろ」以降のハズレで全くせず。

システム  相変わらず、Nscriptor使っているんですね。このソフトずっと使用しているのでは?
 その分、こなれているせいか使い勝手の良いシステムになってます。
 画面上部のツールバーで以下の操作が可能。

 フルスクリーン・ウィンドウモード切り替え
 フォント変更(7フォント)
 テキスト速度変更(3段階)
 次の選択肢までスキップ(既読テキストのみ)
 オートモード(オートクリックの速度は右クリックの環境設定から)

 右クリックから、各キャラのボイス・BGM・効果音の音量調整(アナログバー)
 画面の大きさ切り替え
 オートプレイ速度調整(アナログバー)

 セーブ・ロードスロットは100。任意の場所でセーブ可能でセーブ画面がサムネイル
表示されるので便利。
 ホイールマウスでテキスト進め・バックログ参照出来るのもポイント高い。
 未読メッセージはCtrlキーでスキップ可能です。

 機能的には満点に近いです。が、右クリック時やセーブ・ロード時にやや操作がモッサリ
する傾向があるように感じました。つい先日(というか一昨日)組んだばかりのサブPCで
プレイしましたが、スペック的には問題ないと思いますが…。Nスクとハードウェアの相性
問題かもしれません。ちょっと気になるくらいクリックと反応の差があったのが気になりま
した。 
音楽・CV  オマケのサウンドモードで22曲リスニング出来ます。
 付属のサウンドトラックには16曲が入っています。今付属のサントラ聞きながらこの感想
を書いていますが、全然心に残る曲がなかったりします。可も無く不可も無くという所です。
 但し、エンディングテーマの『春風』が本編のクライマックスにBGMとして上手に挿入され
ており、且つその場その場の雰囲気にも合致してますので、この曲だけは曲の出来も中
々ですし、印象に残るものがあります。

 CVは女性フルボイス。メインヒロイン4名はどの方も有名な方で、演技に問題はありませ
んし、何気に脇役にも有名どころを揃えていますので、CVに関しての不安材料は皆無。
 特に、「鷹月さくら」さんの演じる「椎名 希未」は良かったし、「まき いづみ」さん演じる
「矢神 由梨子」はキャラクターのイメージとはちょっとズレる気がしますが声質そのものの
ファンですので問題なしw
 他の2ヒロインもキャラクターイメージと声がぴったり合致していると思います。
CG・立ち絵  キャラクターデザインがここ数作というか、初めて変更になりましたね。低価格品というこ
とも購入動機でしたが、絵柄が変わったというのも動機にあります。
 個人的には今の柔らかい感じの絵柄がより好みです。キャラクターデザインを3名の原画
家さんが手掛けていますが、どのキャラも複数原画家採用ゲームに見られるアンバランス
さが無かった点は評価したいと思います。
 塗りですが、今回のディレクターの方が以前所属していたソフトハウスの塗り方に似てい
る気がしました。個人的には以前の濃い目の塗りよりも、フワッとした優しい色使いが好き
です。

 立ち絵は少々バリエーションに欠ける感じがしました。絶対的に足りないという訳でもな
いのですが、やや感情と一致しない表情があったりしますね。
 それを補完する形でメッセージウィンドウ左上にSD化されたフェイスキャラが出ます。
 こちらもパターンは少ないのですが、コミカル且つその都度の台詞や感情を的確に表現
出来ているし、微笑ましくて笑えます。
 但し、バグか演出かどっちか解りかねますが、シーンによったり各話の数チャプターでは
SD顔が全然出なかったのは少々違和感あったりしました。 
エロ  各キャラ、終盤に1回のみ。
 主人公やや早漏気味。
 最初は痛がりますが、短い尺の間に都合よく感じてくれる女性キャラ。
 薄い・シーン短い・各シーンでのHCG使用率は2枚。過度どころか希少な期待も抱かな
い方が無難です。
 オマケに1話ヒロインとのやや不完全だった後日談を補佐するようなHシーンと、前作の
ヒロインのHシーンがあります。前作「ラムネ」プレイして無いので、全然解りませんでした。
当然スキップw
シナリオ  「それは誰にでも起こるかもしれない『すこし不思議な』物語。
 パッケージ裏に記されたこのキャッチコピーが、全てかと。

 世界の運命とか、壮大な設定には及びも着かない、ライトファンタジーな設定。
 神様か誰かが仕組んだか分からないけど、誰にでも一生に一度どのような願いでも適う
チャンスが与えられる。
 そのインプリサリオになるのが、前回望みを適えた人物で、メッセンジャーはナビゲータ
ーと呼ばれています。更に幾つかの設定がありますが、そのナビゲーターとなった主人公
またはヒロインが限られた時間の中で触れ合うお話です。

 共通の設定を使い、全く別の主人公とヒロインが織り成す物語がオムニバス形式で4話
を描くという手法は面白いですね。ありそうであまりなかったゲームの形です。
 各話の横の繋がりが殆ど皆無(若干あるといえばありますが、世界設定や根幹に絡ん
で来るイベント等はゼロ。)なのに、それなりに読み応えがあるストーリーに仕上げている
のは、上手く纏めたという感じです。
 各話の平均プレイ時間が2時間前後と非常に短いため、畢竟、駆け足の展開になります
が、変に冗長な展開を見せ付けられるよりは良いかと。
 とはいえ、やはりボリュームの不足は否めず、上手く纏まっていますが、その前に「小さ
く」「無難に」という接頭語付けるのが適切かと。
 特に、主人公とヒロインが惹かれあって最終的にHに流れていく展開はちょっと強引な
印象が拭えません。
 まあ、低価格ゲームの場合、「低価格」がある種の免罪符となり、安いからまあイイか。
 となってしまいますし、その欠点を補うに足る出来であるのは間違いないと思います。

 但し、第2話は他の3話と比べてちょっと軽過ぎて、浮いてます。後述しますが、このシナ
リオ自体が悪いとは思いません。しかし、何らかの屈託や挫折、ネガティブさを対となる
メインキャラのどちらかが持っている他のお話と並べると、ちょっと統一性に欠けます。
 この点は非常に残念でした。
総評  私的にですが、この4話構成のゲームの共通テーマは
 「現実の面からは認識出来ない奇跡は、日々起こる事象に紛れている。」
 「奇跡はあると思えばあり、無いと思えば無い。」

 そのようなもの、ではないかと思ったりしてます。
 願いを適える「チャンスシステム」は、全てのプロセスを終了すると関わった全ての人か
らその記憶も記録も存在も忘れられてしまうという制約があります。
 つまり、恋人になり懇ろになった主人公とヒロインは、物語が終わった段階でお互いの
存在を全く覚えていない訳です。まあ、それではミモフタもなくなるので、断片的なリフレク
ションを元に再会したり、何したりと結局大団円はハッピーエンドになる訳ですが、彼らに
この度の事件の記憶は無い。
 そこで出会える、(陳腐ですが)奇跡(以下略)となる次第です。

 しかし、第3話は、唯一鬱な展開とエンドになってしまいますし、前述のように第2話は、
他のエピソードではヒロインまたは主人公、或いは両方が抱えている挫折や屈託のウェイ
トが非常に軽く、統一の設定を使った一連の物語としてはちょっと纏め切れてない所が
感じられます。
 裏返せば、その軽さ(登場人物当人たちには真剣な事柄でしょうけど)と2時間ドラマにし
ては重いテーマを抱えたキャラクターとの温度差が、前述した
 「奇跡はある意味あり、ある意味ない。」という考えに繋がるんではないかな、と半ば無
理にこじ付けてみたりします。

 ここでこじ付けに走りたくなるような重めのテーマとエンディングが存在している点では
やはり「銀色」とか「朱」を作成した「ねこねこソフト」さんだなあ、と思ったり。
 然れども、こじ付けという単語を使わなければならない消化不良さが残っているのもまた
このメーカーさんかなあ、と毀誉褒貶が定まりません。

 どうせなら、2話のような爽やか青春展開に突っ走るか、3話のように重い鬱展開メイン
に突っ走るかに極端に偏った方が物語りの統一性は取れたかと思います。
 1話と4話はバランスが取れていると思いますが、1話のお互いが惹かれ合う過程はちょ
っと性急過ぎますし、1話ほどではないですが、4話にもその傾向がありますので、バラン
スの良さが中途半端と共存する程度になってしまっているのが、このボリュームと切り込
みの浅さの限界かと。
 
 と、やはりネガティブに書いてますが、良い意味でねこねこさんらしく、ねこねこさんらしく
ないライトファンタジーを読ませてもらい、満足感は結構ありました。
 このゲームが20時間以上のプレイを要するボリュームだったら、中弛みした可能性がと
ても強く、ライトウェイトなお話としての妥協点を十分に満たしていると思います。
オススメ度  「White」とか「みずいろ」とかで眠くなった人―それは私です―が、全く眠くならずに一気
にプレイできました。
 値段相応に纏まった小さな良作ではないかと思います。
 冗長な萌えオンリーのゲームは駄目だと思っている人も機会があればプレイしてみるの
も悪くないと思います。
 過度に期待せず、ライトノベル(私は殆ど読みませんが)を読む感覚でプレイすれば、そ
れなり以上にハートウォーミングで時折ポップ、所により哀しい物語が楽しめるでしょう。
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