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そらをみあげて想うこと

プレイ時間 CDレス
プレイ
インストール
容量
CG枚数 H回想 ボイス 評価
約22時間★ 最小600MB
最大1.1GB
60枚※ 無し メインフル 7点

★初回プレイ5時間30分程度。
2週目〜4週目、1キャラ3時間から3時間30分。
トゥルールートをセーブポイントから1時間30分。
バッドエンドのやり直し、「さやか」ルート探しに6時間。
純粋な総プレイ時間は、17時間程度。

※差分含まず

★事前に期待していたもの
スタッフ全て非公開という情報の無さに突撃を後押しされました。(苦笑)
一応、このメーカー系列は全て買っているので、今回も。
SFらしい設定に期待はしてましたが、過度な期待は無し。寧ろ駄目だと予想してましたが・・・。

システム  別ブランドTerraLunarからの前作「ぷちぷち★魔女先生」と同じ足回りです。
 ちょっと物足りないけど、水準以上ではあります。

 メッセージウィンドウ右端のアイコンで
 メッセージスキップの開始と終了
 オートモードの開始と終了
 メッセージ読み返し画面への移動

 この3点が操作できます。

 ホイールマウス メッセージ読み返し対応。
 アイコン以外の操作は画面上端のタスクバーにて。

 フルスクリーン・ウィンドウモード 切り替え
 メッセージスキップの開始と終了
 環境設定
 セーブ・ロード操作(20スロット)
 オートモードの開始と終了(クリック速度調節は10段階。CtrlキーでOn/Off)
 ゲームの終了とタイトル画面へのバック

 以上を操作。
 メッセージ速度調節(2段階)
 音声・BGM・効果音調節(アナログバー、音声とBGMのみOn/Off選択可)
 メッセージスキップ既読・未読の判別可能。(選択肢の後スキップ継続も可)
 フォント・アンチエイリアス・メッセージウィンドウ背景の色合い等も調整可能。

 セーブ・ロードのスロットが選択肢の数の割にはやや少ない事。しかもセーブした日時
しか表示されないので、ちょっと物足りない。
 効果音や画面効果がメッセージスキップ中にキャンセル出来ない事。また、スキップ
速度がいまいち遅め。
 以上の点以外は、快適でした。足回りの点ではやっと水準以上をキープ出来る様にな
ってきた感じですね。
音楽・CV  オマケモードで30曲が聞けます。
 かなり多目の曲数ですが、取り立てて凄い印象に残るナンバーはありません。
 どの曲もゲーム中のTPOには合っているし、堅実ですね。面白味はないですが。
 キーボードをベースに、ギターや打楽器もBGMのタイプに合わせてオーソドックスに使
われています。ゲーム音楽としてはまずまずではないかと。
 が、サウンドトラックが出ても欲しいとは思いません。これが全ての評価を表している
と思います。

 CVに関しては、メインキャラクターのみ男性もフルボイス。
 反対にチョイ役の人はCVレス。
 自分としてはベストな声の入れ方だと思っています。完全フルボイスでも脇役はオフに
したりクリックで飛ばしてしまう事が常ですので。
 今回は、何時もならクリックや設定でカットしてしまう男性ボイスも全部聞けました。
 それぞれ良い演技をされています。
 女性陣に関しては、堅実に上手い方を揃えていますので、全く問題なしです。
 キャラクターのイメージにも概ね合致。メインヒロイン役の「北都南」さんは出演過多の
傾向がある為、イメージには合わないというか、他のゲームのキャラと被ってしまうのが
難点と言えば難点ですが。
CG・立ち絵  事前露出情報でも、どうにも絵が微妙という感触を受けていましたが、案の定ネックに
なってしまっているのが、ビジュアルです。

 背景だけは、かなり綺麗に書かれています。やや使い回しの傾向もありますが、この
程度なら許容出来る範囲ですね。
 それに比べて、立ち絵がかなり駄目です。ショボイし、絵が崩れているし、塗りもチープ
です。
 ポーズやパターンは、驚くほど豊富ですが、キャラクターによる差別も激しい。
 特に出番の少ない教師キャラの「さやか」は常に出席簿を持っている立ち絵が表示さ
れるのが萎え。
 コロコロと変わる表情やポーズ、キャラの立ち位置を頻繁に変更して動きを出す演出
自体は良好です。
 が、服装が常に制服しかないので、TPOに合っていなさ過ぎ。
 せめて、水着や私服の立ち絵くらい用意してください。あれだけ表情のバリエーション
が多いのに、この格差はちょっと酷いです。
 更に、立ち絵のパターンが多いのに、絵がショボイ為に、いまいちその豊富さがプラス
に働いていないのが勿体無さ過ぎ。
 特に「陸」と「沙奈」の立ち絵は酷いです。

 同様に一枚絵CGも微妙。
 立ち絵よりは可愛く描けている場合が多いけれども、表情は安定しないし、塗りも綺麗
とは言い難い。HCGでは身体のパーツも乱れがちです。
 特にHシーンでは幾枚か見れるCGがありましたが、全体の10分の1もありません。
 しかも枚数少な過ぎ。

 大きなビハインドは絵です。これで避ける人も多そうだ。 
エロ  実用性はほぼ無いと考えてください。

 基本として、攻略対象ヒロインは2回の濡れ場があります。(「榛名 陸」のみ1回はフェ
ラチオ&顔面発射のみ。「兵藤 さやか」は本番1回だけ。)
 どのシーンも尺は短い。代表格は「十条寺 沙奈」のキスシーンを見せた後、イキナ
リ挿入して喘がせているシーンにジャンプするはしょり展開ですな。
 しかも着衣はおろか、脱がせる場面すらCGは元よりテキストにもありません
 シーンにはいると同時にお互いに全裸になってしまってます。脱がせる行為に興奮す
る属性の方には最悪の組み立てだ。

 クンニは全てのキャラクターに表現がありますが、フェラチオは全員に装備されてませ
し、特殊Hも無し。淫語は性器表現に無音で消しが入るくらいですね。
 後は、「牧野 はづき」にアナルセックスが1回あるくらい。青カンが幾つかありますが、
これは特殊とは言えないしなあ。

 一番の問題は、エロシーンへの突入があまりにも唐突な事です。
 物語の流れがタイトルの付いた章で区切られている形になっているのですが、幾人か
の場面では、章が始まると同時に全裸になって前儀しているシーンが登場したりして、
何の前振りもなかったり。
 そこまで酷くは無くても、ちょっとヘル・ダイヴするのが不自然と感じる事が大半でした。
 演技だけは上手ですが、それだけです。

 絵の不味さも手伝い、全般として駄目です。Hには期待しない方が吉でしょう。
シナリオ  近未来、宇宙から飛来した謎の箱型物体「キューブ」が地球の大気圏外に停滞した。
 その「キューブ」の影響で、若年層には特殊な『能力』、俗に言う超能力が顕現する例
が増大。
 その能力を観察検査する為、「学園」の名目で政府は領土最南端の南海の孤島に教
育機関を設立。
 主人公「木ノ下 耕平」は、自律が完全に出来ないが、世界を思うままに改変できる能
力の持ち主。(ゲーム中の説明は『波動関数の拡散』)
 実質は被験者となっている主人公を始めとする「能力者」達は仮想空間での戦闘シミ
ュレーションの暴走や、幽霊騒動、テロリストの襲撃を含めた、非日常と日常の混在した
学園生活を送っていく。

 基本設定は、近未来のSF学園モノでしょうか。
 主人公と登場ヒロイン達が何らかの特殊能力を持っているがまず特徴です。
 この設定が単なる設定に終わっておらず、ゲームを通して物語の鍵として使用されて
いるのは良く出来ている点ですね。
 前述のように、各話完結とまでははっきりしていませんが、タイトルの付いた章毎に区
切られた物語が連続する、仕立てになっています。
 共通ルートとなる幾つかの章が点在し、そこに選択したヒロインのエピソードが随時挿
入されるという形になります。ですので、どのヒロインのルートでも物語の大骨は変化し
ません。
 しかし、この章仕立てというギミックを上手く利用して、1つの物語を幾つかの角度から
見つつ、ヒロイン毎の主人公との絡みを語ってくれる展開はなかなか上手いです。

 1ヒロイン、スキップを使わないと5時間30分〜6時間ですが、その3分の1以上は個別
のエピソードで構成されており、別ヒロインのルートでは漠然とした情報でしか知る事が
敵わなかった事件を、他のヒロインルートではリアルに追いかけられるというように、複
数ヒロインの存在を活用出来ている点も評価したいです。

 また、世界の核となる人類文明外からの来訪物「キューブ」と「能力」についての伏線
や謎も、読み手の興味を吸引するように書かれているので、プレイ時間の長さの割には
中弛み感が少ないです。
 各シナリオで矛盾していた事柄も、真相解明シナリオでは、それなりに理解可能にな
りますし、後味が悪い事もありません。

 問題としては、どのヒロインシナリオからもプレイ可能な為、ややシナリオのクリア順番
によっては不整合が出る事。そしてトゥルーシナリオに条件が揃えば何時でも突入可能
な事でしょうか。
 更に、真相を握るキャラのルートが他ヒロインの物語に埋没してしまっているので、真
のラストシナリオに入るまでの流れが良くない事もちょっといただけません。
 フラグ管理のバグかと邪推していますが、明確なトゥルールートへの道程が表示されな
いのはかなりマイナスかと。

 加えて、各ヒロインのシナリオがラスト近辺で唐突に変化したり、やや不自然な繋がり
になる事。特に「はづき」シナリオではそれを強く感じました。
 良く出来た全体に比較すると、個別ヒロインのエンドがあまりにも淡白で薄いのが最大
の弱点ですね。 
総評  伏線と謎をある程度露出しつつ、最後でドンと解明するタイプの物語としては、比較的
良く纏まっていると思います。

 キャラクター同士の掛け合い漫才やドツキ合いも、かなりコミカルで面白い。
 かなり理系用語や物語独自の設定が登場しますが、その単語だけ水色で表示され、
そこへマウスポインタを当てるだけで、用語の解説がなされる辞書形式での説明という
手法も面白かった。
 日常会話に、切れ味のあるセンスはあまり感じませんが、キャラクターを上手く立てて
その性格を活用する事でカバー出来ています。
 奇抜な口癖や、常識外れの言動で笑いを取るタイプの最近のゲームとは人味違う、
キャラクターの日常が気持良い。
 反対にちょっと気持良くないのが、度々書かれる「何某が判明したのは数ヵ月後のこ
とだった」とか「これを知るのは後のことだった」という含みのある書き方。
 橋●純氏の仮想戦記か、これは!?とツッコミ入れたくなりました。
 主人公の回顧録としては綴られていない物語で、これはちょっと不自然。

 賞賛したい点は、SFという設定の浸透を巧みに行っている事。クドい世界設定の説
明もしていないのに、各キャラクターが超常の能力を使って見せる事で、舞台がフィク
ションの世界である事を、プレイヤーに自然に認識させるように持ち込んでいる前半の
流れは中々です。
 テロリストの襲撃や、他の能力者との超能力バトルといったアクションを含むシリアス
路線が唐突に日常に入り込んでくる事にも、SF近未来という設定がナチュラルに流れ
込んできたので、あまり違和感を覚えませんでした。
 もっとも、これは私がSF好きという前提があったからかもしれませんが。

 ちょっと大団円シナリオで幾つも詰め込んで纏め過ぎている感じもマイナス。
 もう少し情報を整理して露出してくれないと、急激な展開に戸惑ってしまうプレイヤーが
多発するように思います。
 実際、絵が酷いのでシナリオの良さが引き立っている面もあり、まだまだ粗は多く、手
放しで誉める事は出来ないのですが。まあ好みの問題ですから。

 それから、どうしてもストーリーをいまいちにしているのが、Hシーンの使い方。
 エロの項目でも触れましたが、あまりにも濡れ場の嵌め込み方が稚拙です。これだけ
不自然なストーリーへの絡み方をしていると、コンシューマー化を狙った脱着式ユニット
と勘繰りたくなってしまいます。家庭用ソフトに移植出来る程キャッチーさがあるかという
のはまた別のお話ですが。(苦笑)
 このため、感動というかヒロインと主人公の関係がちょっとアッサリし過ぎており、深み
に欠ける物語になってしまっている感じが。Hシーンだけに限らず、対人関係が爽やかと
言えば聞こえが良いですが、通り一遍の上っ面だけで踏み込んだ書き方をされていな
いのが主な原因なのでしょう。
 キャラクター同士の掛け合いは前にも書いたけど面白いんですが。

 問題はやはり絵関連。
 小銃や手榴弾を使って、仮想現実とはいえ戦闘を行ったり、実際にレコン(=偵察)を
行うというミリタリーアクション系の場面が多いのに、常にキャラクターは学園の制服と
いうのが、リアリティに欠ける事、欠ける事。
 せめて野戦服くらいはコスチュームに加えて欲しかった。
 最終シナリオでボティアーマーやヘッドセットを着込むシーンがちょっとだけ登場します
が、何故その立ち絵を普段使わないのか納得が行かない。勿体付けても、この絵では
効果が薄いですし。
オススメ度  萌えもエロも薄い。と言う具合に、最近乱発されるトレンドから外れている所が最高に
気に入りました。(流行の萌えゲーはそれはそれで良い部分はありますけど。)
 萌えイベントを入れる事無しでキャラクターを立て、ハードなフィクション世界と、普通の
学園生活を同時に描いている物語は結構貴重だと思います。
 爽やかに読めるシナリオも、絶妙とまでは行きませんが、平均以上の読み物になって
いると考えています。

 ちょっと子振りな話に終始しており、大作ゲームとは言い難いですけど、ボリュームもそ
こそこ以上で個別イベントも多いので、満足度は存外高いです。
 期待していなかったのに、意外に良質だった事も評価の底上げになっているとは思う
のですが、7点献上します。

 綺麗な絵がどうしても必要だったり、Hの濃さを求めるプレイヤーにはそれぞれマイナス
1点する必要があります。
 SFやファンタジーノベルが好きで、絵的な要素はそれ程気にならない方なら突撃して
もハズレはないでしょう。
 秋葉原のどのショップでも特典が付かなかったマイナーソフトですが、掘り出し物と呼び
たいです。私は最安値のアソビットシティ(5.7K)で入手しました。全体的に入荷量が
少ないのでしょう、品薄でした。

 最近駄目ゲームを連発してたメーカーさんですが、やっと面白いと自信を持って言える
ゲームを出してくれました。次にも期待が少し出てきましたが、願わくばこのレベル以上
を続けて欲しいものです。
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