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海からくるもの 

プレイ時間 CDレス
プレイ
CG枚数 回想 ボイス 評価 オススメ
点数
8時間★ 不可 84枚 15枠※ 女性フル 7.5点 6点

★TRUEルートを通しでプレイして6時間以内。
他のルートとシーン回収に2時間程度。
※その他、ショートシナリオ3本とエンディング条件ヒント5枠有り。

★事前に期待していたもの
何となくハードボイルド系のゲームのような印象があったので。
パッケージを手にとって、シナリオを読めそうな期待があったので。

システム   「CROSS†CHANNEL」と全く同じシステム。これまたWill系の汎用エンジンを使用している模様です。
 インストールしてもショートカットが自動作成されません。メディアをCDトレイから出し入れするか、エク
スプローラ等からクリックしてスタートランチャーを呼び出す必要があります。
 起動時のランチャーから、フルスクリーンとウィンドウモードどちらかの開始が選択可能。

 メディアレスが出来ないのはプロテクトの問題から仕方ない事かもしれませんが、せめてCD入れたま
まスターとメニュー等からすんなりプレイに入りたいものです。

 メニューは画面上のツールバーからプルダウンして呼び出す形式。
 特徴はオートモードと手動モードでの両方で個別の環境設定ができる所。
 フルスクリーン・ウィンドウ切り替え 有り。
 既読・未読判定スキップ 有り。かなり高速。
 オートモード 有り。文章ウェイトを5段階調節可能。テキストスピードが5段階に変更可能だが、文章
スピードが速いとウェイト時間を最遅にしないとモノローグを読むのがキツイ位速い。
 セーブ・ロード 任意の場所で。1つだけクイックセーブとロードが出来ます。
 ホイールマウスバックログ対応。文章の読み進めには対応してません。音声リピート機能は無し。

 基本的に不満を感じる事はないシステムです。
 ただ、ゲームインターフェイスとして各主人公に「カラー値」というパラメーターが設定されており、選択
肢如何によって増減します。この増減の際の処理が少し重く感じました。
音楽・CV  曲は全部で17曲。何というかゲームらしいゲーム用の曲ですね。特別後で聞き返したくなるほどで
はありません。
 OPやEDの歌も無いのは結構ストイックですかね。OPのテーマは古臭いゲーム音楽みたいな感じで、
少し懐かしかったです。
 所々ですが、BGM無しの部分が結構長く取ってあり、無音をそれなりに上手く使っている演出が個
人的には良かったと思います。

 キャラ音声は、女性のみチョイ役でもフルボイスとなってます。掛け持ちも多いですけど。
 日常会話シーン並びにエロシーンのどちらも全く問題ないです。名前的には私はあまり知らない人が
多かった気がしますが。(汗)
特にエロシーンはノベルタイプにしてはかなり気合が入った演技が聞けますね。
CG・立ち絵  まず、一枚絵CGですが、あまり数はありません。スプラッタなシーンがかなりあるのですが、テキスト
と背景の演出だけで終わらせてしまっているシーンが多過ぎます。
 殆どがHシーンのCGですが、クオリティは安定していると思います。
 問題は立ち絵。立ち絵といっても全身が表示される事は稀です。登場人物の全身が見れるのはイベ
ントCGとHCGだけです。
 後は顔を画面一杯のドアップで表示するという、非常に珍しい方法が採られてます。が、表情自体の
変化があまりなく、画面一面顔のアップCGという見せ方は違和感アリアリです。
 これは背景のあまりのチープさを隠す為に敢えて行ってるんではないか、と勘繰りたくなるくらい不自
然ですね。
 背景は実写取り込み画像をぼかしただけ。今時同人ゲームでもあまり見られなくなった安っぽさです。
 残虐シーンでも血痕らしきイメージ画像を表示するだけ、という演出も多いので、映像的に期待はしな
い方が無難でしょう。
エロ  管理人は陵辱もストーリーを補佐する形ならグロかったりキツクでも問題ないんですが、ちょっと辛い
シーンが多かったです。
 和姦純愛の絡みは15シーン中5つと3分の1ありますが、それ以外の陵辱が強烈なので霞んでます。
 また、和姦にしても半数は打算とか欲得絡みです。
 残りは輪姦1シーン、後は全て強姦です。
 強姦は1つのキャラを除いて、最後まで女性が快感を覚える表現は出てきません。嫌がって痛がるの
を無理矢理捻じ伏せるバイオレンスタイプです。
 究極としてはトラウマを植え付けて廃人にしてしまう暴行まであります。
 同様にフェラシーンも、自発的な行為ではなく、これまた強引に捻じ込んで勝手に果てるタイプの描
写のみです。
 痛い表現やシーンが駄目な人にはオススメし兼ねます。私も音声はスキップさせて貰いました。鬼
畜スキーには大した事ないレベルなんでしょうけど。
 後、輪姦シーンは、かなり酷い描写がされます。ただ廻すのではなく、暴行を加えて、指の骨を折ろ
うとしたり、腹を蹴って血を吐かせたり、挙句にはビール瓶を叩き割り、破片を散らした上に組み敷いて
集団暴行して、尻にホースを突っ込んで腸を傷つけるようなプレイまで・・・・。痛い。
 ちょっとどころかかなり引きました。
 で、そういう行為に加担した主人公が純愛和姦を楽しむシーンになるとかなり違和感があり、あまり
シンクロできませんでした。
 まあ、感動を堪能するようなエロスとは違うゲームだからそれは良しとしますか・・・・。
 ただ、和姦シーンで「イクイク」セリフの連発は一昔前のAVのように思えたりしました。演技自体は
良いんですけど。
シナリオ  SF、バイオレンスを中心に組み立てられたゲームです。
 萌えゲーか抜きゲーか、と両極に特化が進む中では珍しくなったタイプのゲームだと思います。
 全体が5章で構成され、主人公が2人存在します。よく使われるザッピングシステムとまで複雑では
ありませんが、各章で各々の主人公の視点で物語が進み、選択肢によっては他方の主人公に影響
を与える事もあります。
 これまた以前の古いエロゲーには見られたシステムのようですが、近頃はあまり見ないですね。

 世界設定が、現実とはやや異なり、一度滅びた世界が過去の人類の残した遺産の発掘によって再
度20世紀後半レベルくらいまでに発展してきた時代、のようなSF風になってます。
 とはいえ、突飛なアイテムやメカが出てくる訳ではなく、まんま多少昔の日本風な世界です。
 この世界にはレフ(LEF)と呼ばれる、異能力者(超能力者)の存在が公認されていて、政府によっ
て現在その能力を研究されている。
 政府の発表では常人と大差ない能力者となっていますが、実は政府が力のあるレフを狩り集めて
いる。
 ここがキーの設定ですね。
 憧れていた女性に罵倒された事によって、超能力に目覚めた無気力な学生が一方の主人公。
 その超能力レフを欲して、動き回るインテリ大学生崩れのヤクザ予備軍な男が他方の主人公。
 あくまでも個人である主人公の視点を通して、世界の謎、再生と破滅、人間の在り方、何てテーマ
がハードに展開します。

 題材としては、超能力というSF仕立ての土台には何ら新鮮さのないものを使っていますが、これが
先史文明に関わる遺産的な物である事。そして人間性を失わせるに至る程のネガティブな力である
事。
 また、単純な超能力大戦的なファンタジー物にはしていません。    

 その超能力を巡ってドロドロと展開する薄汚い暴力と謀略の模様。
 超能力を得るという切っ掛けだけであっさりと崩壊する脆い日常。

 こういったバイオレンスやサスペンス、時々SFな要素を矛盾なく無難に纏めています。
 但し、全体的に小粒というかボリュームが不足気味です。
 超能力に本能を掻き立てられ、獣欲に走った主人公が陵辱の限りを尽くすシーンと、その欲望から
醒めて冷静になるシーンの切り替えが少しイージーに過ぎて、内面の葛藤等が十分に書き切れて
いない。
 矛盾なく広げた風呂敷は纏めていますが、設定によっては登場人物の物分りが良過ぎてあっさり
と流されてしまう部分も多い。
 登場人物も物語の説明役やスプラッタ担当という狂言回し的な役割で出てくる者が大半で、キャラ
に感情移入せず、物語を追うだけになってしまってます。2名の主人公にも魅力というものは感じら
れません。まあ、突然獣になった後すぐに冷静になったり頭が切れたりと、少し便利に性格がライタ
ー氏に操作されている感じがしました。

 また、選択肢が結構多いのですが、二択のうちどちらを選んでも殆どその後のテキストが変化し
ません。
 ためにかなり違った心情の選択をしても続く文章が同じ。
 これは陵辱を続ける選択肢にも共通の問題で、不整合までは行きませんが、レイプをした前提で
話が運
んでいるような流れがあります。実際はとことんまでやってないようなんですけど。
総評   「海からくるもの」の存在が真のストーリーに関わってくるのですが、最後の最後まで印象が薄い
です。
 物語の手法として、存在をぼかして謎めかせるのは良いメソッドだと思いますが、張られた伏線が
少し弱いですね。
 登場人物のそれぞれな解釈で少しずつ説明されますが、あまりにも唐突に全てがはっきりするの
は少々性急過ぎた感じもあります。
 また、日常への破壊願望や、既存権力への反逆心といった内面の鬱屈をそれぞれの主人公が抱
えていますが、これが全て女性への陵辱や強姦という形でしか表現されていないのが、チープな感
じをもたらしてます。
 殊に特別な地位にいる訳でもない、個人の主人公の一人称視点で話を全て進める形の限界かも
しれません。

 後、安易に陵辱シーンの回数を増やす事でエロの割合を増やしている部分が気になりました。管
理人は、スプラッタは問題ないので、そちらで人間の本性の黒い部分をもっと表現して貰いたかった
です。
  とはいえ暴力的なシーンは多く、かなりの登場人物が死亡します。殆どの登場女性は事件に巻
き込まれて不幸な結末を迎えます。
 正直、BADENDはなべて救いようがないものになってますし、TRUEENDにしても完全に明るいも
のではありません。
 本当のTRUEになると、最後の救済的なある意味希望のあるエンドが見れますが。

 よって、暗めのお話や痛いエンディングが嗜好に合わない人には辛い物語になると思います。
 大作とするには、巧みな第三者視点で世界の動き等を示した方が面白かった可能性はあります。
 一応、エンディングが増える度に、ストーリーの背景を補佐するショートシナリオが3本あり、そこ
で謎の大本が間接的に語られるので、物語そのものへ突っ込む所はありません。
 これもひとつの見せ方として良いです。
 キツ目の死亡系BADENDを全て回収しないと全体が見え難い構造になっているので、私的には
辛い部分もありましたが。
オススメ度   ビジュアル的には安っぽ過ぎるのですが、ノベル系ゲームはシナリオで勝負という心意気を見せ
てくれたゲームと思います。、ハードボイルドではないが、ハードで渋いゲームが少ないとお嘆き
の諸志にはオス
スメします。
 グロイのが受け付けられなかった事と、ボリュームが不足な分をマイナスして7.5点。
 一般論として、現在のユーザーの嗜好には合致しないかもしれませんので、6点ですか。萌えだ
けは絶対に期待してはいけません。
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